アニメ・漫画」カテゴリーアーカイブ

魁!! クロマティ高校を読んだ

野中英次によるギャグ漫画、魁!! クロマティ高校を読んだ。

以前アニメの方は見たことあるのだが、原作漫画を読むのは初めてだ。相変わらずシュールというか、ありきたりのギャグを少し外した笑いが面白い。特にフレディが学校にいるってどういうことだよ。ゴリラやメカ沢も面白いけどフレディには笑わせてもらった。

ただどうしても終盤になるとネタが尽きたのかマンネリに飽きたのか、感覚が麻痺してきてあまり面白く思えなくなってしまった。それでもなんとか全17巻を読破したが、正直10巻くらいがちょうどよい長さだったと思う。

ギャグ漫画で17巻というのは結構長い部類に入るが、ふと考えると “こち亀” なんて10倍の170巻以上もネタが尽きずに続いている。こち亀もマンネリ感がないわけじゃないが、それでも読者を飽きさせずに連載を続けていると思うとクロマティ高校の作者ももうちょっとがんばれたんじゃないかと思ってしまった。

山田太郎ものがたり

森永あいによる漫画、山田太郎ものがたりを読んだ。

あひるの王子さまに続いてさらに森永あいである。さすがにちょっと飽きてきたかなぁ。決して面白くないわけじゃないんだけど、貧乏ネタも割りと昔からよくある話だしリアリティにも欠けるし、もうちょっと話が斜め上方向に膨らめばよかったんだけど、期待してたよりは普通の作品だった。

というよりこれまで森永あいの良い点だった少女漫画ならではの少年漫画には無い面白さよりも、少女漫画ならではのつまらなさの方が勝っていた印象だ。この手のナンセンスギャグだったら少年漫画の方が面白くできるだろうなあ。まあまたいずれ面白い作家さんが見つかれば良いなと思っている。

あひるの王子さまを読んだ

森永あいによる漫画、あひるの王子さまを読んだ。

極楽青春ホッケー部につづいてまたもや森永あいである。しかしこの作品は森永あいならではというほどでもなく、Bバージン という少年漫画にそっくりな気がする。チブでブサイクでオタクな少年が、恋をきっかけに美少年に生まれ変わる。童話オタクと生物オタクの違いや、努力によって変わるか魔法で変わるかの違いはあれど、中身が奥手で純粋なままゆえに空回りし、相手の少女があまり美少年を好きではないという点もよく似ている。極めつけは三人の姉にいじめられるという境遇だろうか。

ある日突然美しく生まれ変わるというのはむしろ少女漫画の方では王道なので、森永あいがBバージンをぱくったとかそういう事を言うつもりはまったくない。しかしBバージンを読んだことのある読者は私と同じ既視感を感じることだろう。というわけで個人的にはいまいちだった。

極楽青春ホッケー部を読んだ

森永あいによる漫画、極楽青春ホッケー部を読んだ。

僕と彼女の×××を読んでから森永あいにちょっとハマっている。少女漫画というジャンルには男が読むに耐えない要素にあふれた作品も数多くあるが、逆に少年漫画ではありえない発想のギャグがつまった作品もある。森永あいのギャグはまさに後者で、なかなか少年漫画ではお目にかかれないようなギャグが面白い。

この極楽青春ホッケー部はいわゆる美形の男子の中に女が一人といういわゆる逆ハーレムを描いた作品なのだが、別に紅一点の主人公がやたらチヤホヤされるわけでもなく、基本的には皆で仲良く旅行に行くだけだ。

その旅さきで熊におそわれたり、寝ぼけた主人公のハナがその熊を挌闘で倒したり、倒された熊がハナになついてホッケーの試合にでたりと、なんでもありのスラップティックな展開がとても面白い。日本語でいうとドタバタギャグとでも言うのか、この手のギャグコメディは女性作家の作品の方が頭が柔軟なせいか名作が多いような気がする。

森永あいのその他の作品もおいおい読んでいきたい。

GUNSLINGER GIRL 13巻を読んだ

GUNSLINGER GIRLの13巻を読んだ。

物語はクライマックスにさしかかり、主要なキャラクターの死亡あるいは死亡の予兆が描かれ始めている。もともとハッピーエンドが期待できるような作品ではなかったが、それなりに思い入れのあるキャラクターが凄惨な死を迎える描写は見ていて辛いものがある。

おそらくこれから数巻をかけてそれぞれの死を描いて物語は最後を迎えるのだろう。誰が生き残るかは解らないが、敵味方のほとんどが死亡するに違いない。別に最後のどんでん返しとかはいらないから、一つ一つの場面を丁寧に、それでいてテンポ良く描いてもらいたい。15巻くらいで終わってくれると丁度よいのではないだろうか。それ以上続くとさすがにちょっとくどくなるような気がする。

ノ・ゾ・キ・ア・ナ 1~7巻を読んだ

本名ワコウによる漫画、ノ・ゾ・キ・ア・ナの1巻から7巻までを読んだ。

壁に穴のあいた隣同士に住む男女が、曜日を決めてお互いを覗き合うという契約を結ぶという、簡単に言ってしまえば学生などの比較的若い童貞ご用達のちょっとエッチな漫画である。小学館の携帯コミック「モバMAN」でダントツの人気があるみたいだが、どんな層が読んでいるかは推して知るべしといった所だろう。

いきなり上から目線の物言いで申し訳ないが、自分も学生の頃はこの手の作品が大好きで、遊人の作品なんかをよく愛読していものだ。だからこういう作品の評価は面白いか面白くないかではなく、エロいかエロくないかでするべきだと思う。

そして18禁ではない作品にしてはがんばっている方だとは思う。大人向けの官能小説にあるようなねっとりとした濃いエロスには欠けるが、若さを感じさせる勢いのある性描写は結構いいと思う。タイトルや設定からは濃い目の性倒錯を描くように思われるが、主人公の性格からか以外と普通の恋愛描写が多い。これなら昭和初期のエログロ小説の方がよっぽどエロい。そういう意味で思春期の青少年むけに作られた作品としては、絶妙なバランスを持っているように思われるし、人気がでるのも素直に納得ができる。

花と奥たん 1巻を読んだ

高橋しんの漫画、花と奥たんの1巻を読んだ。

最終兵器彼女の高橋しんらしいといえばらしい作品だが、少し不思議な作品だと思う。

ある日突然都心部に巨大な花が出現し、東京には人が住めなくなってしまった。主人公のモモ(奥たん)は、ミニウサギのPたんと一緒に夫である正太郎(旦那たん)が東京から帰ってくるのを待って、毎日おいしい晩御飯を作っている。日常と非日常のアンビバレントな融和、終末的な世界観にけなげな少女という組み合わせは最終兵器彼女と共通しているが、この先この物語に救いがあるのか無いのかはいまのところは解らない。

さて1巻を読んでの感想だが、いまのところは世界観の説明で終わってるという感じで、物語がこれから面白い方向に進んでいくのかそうでないのかも解らない。個人的には2巻をぜひ読みたいと思うほど面白いとは思えなかった。最終兵器彼女の時も思ったが、終末世界で純愛とかさすがにちょっと気恥ずかしい。現在進行形で片思いをしている中学生が好きそうな、こういう一種のナルシズムを無批判に受けいられるほどもう若くないのだ。

ただモモはかなりかわいいと思うので、アニメ化されて動いてしゃべるならちょっと見てみたいかも知れないな。

フダンシズム-腐男子主義- を読んだ

もりしげによる漫画、フダンシズム-腐男子主義- を読んだ。

BL作品が好きないわゆる腐女子に恋をしてしまった、眉目秀麗かつ文武両道のパーフェクトプリンスの物語。このプリンス、頭は良いのだがいわゆる天然というやつで、腐女子である片思いの少女に近づくために女装して腐女子を演じる。その女装までも完璧に似合ってしまうところが漫画ならではなのだが、そこからいろいろな事件が巻き起こるラブコメディといった感じの作品だ。

BLをよく知らない男性読者のために、軽めのBL講座なんてのもある。こういう趣味をわざわざ解説するなんて野暮なことだと思うが、雑誌で読んでいる比較的一般の読者には親切なのかも知れない。

ところで登場するヒロインたちの多くが濃い目の腐女子として描かれているために、どのヒロインにもまったく萌えることができない。多分この作品の真のヒロインは、主人公が女装して演じるアマネなんだろう。私も実際に女装をしたいとまでは思わないが、変身願望というか女性としての生活も体験してみたいというのは男にとってむしろ自然な事だと思う。登場人物のほとんどが何かしらの性倒錯を持っているので、主人公の女装を変質的に感じないというのもあるだろう。

ただ残念なことに男性読者の共感を得るためか、タイトルに反して主人公が最後まで “腐男子” にはならなかった。話のなかではBL作品にも理解を示し、腐女子を演じる事やそこで生まれた人間関係を心底楽しむようになったが、それを “腐ってる” とは多分言わないように思う。もちろん実際の腐女子にだって、軽めの人もいれば非常にディープな人もいるのだろうが、この主人公を腐男子と呼ぶのは少々納得がいかない。私自身が腐男子ではないのでうまく説明ができないが、この主人公は他の腐女子達とは違ってBLや原典の作品が好きなのではなく、そこで生まれた人間関係が好きなのだと思うからだ。もしこの主人公がガッツリBLにはまったとしたら、おそらく多くの男性読者が引くことは容易に想像ができるのだが、いくとこまでいった方が話題にはなっただろう。

現在は高校生になった主人公たちを描いた “フダンシフル!” という続編が連載中なのだが、さらに一般読者受けを狙ってありがちな文化系学園ラブコメになりつつある。高校に漫研がないから部員を集めて漫研を作ったり、他の同好会と部室をかけてドッジボールの試合をしたりと、いつの時代の作品だとツッコミを入れたくなるほどの駄作である。テレビアニメ化でも狙っているのだろうか。

自殺島 1~5巻を読んだ

森恒二による無人島サバイバル漫画、自殺島 1巻から5巻までを読んだ。

無人島を舞台にしたサバイバルを描いた作品は数多くあるが、この作品の特筆すべき所は、サバイバルすべき登場人物たちがみな「自殺志願者」だと言うことだ。何度も自殺を繰り返しても死ぬに死ねなかった人間たちが政府の手によって無人島に置き去りにされるという設定はとても奇抜で面白い。

もともとが自殺志願者だから、無人島での過酷な状況に耐えられず自殺する人間は後を絶たない。そして自殺する事ができずにとりあえず生き残ることを選択した者たちの中には、先に死んでいった者たちに対する「コンプレックス」がある。生き残ることを単純に良しとせず、それぞれが自ら生きるという選択に至る過程が丁寧に描かれているのである。

主人公は現代日本の社会では何の夢や希望を持てずに無気力に暮らしていた。周りの人間に「夢を持て」と言われ続けてもついに夢を持つ事はできなかった。そうしてただ生きているだけでは許されない社会に適応できなかった主人公は、ただ生きるという事が非常に困難な世界で自らの幸福を見出す。島で何も考えずにただ生きる動物達に魅了され、その生命を奪って生きる狩人となる事を選択したのだ。

そうして自殺志願者から狩人となった主人公は、今度は個人の問題から集団の問題に直面する。生きる決意が生まれても自分一人では生き残れない。そして周りは未だに生きるという事に積極的な意志を持てずにいる者ばかりだ。自分の体験や考えを言葉で伝えても、それぞれの抱えている問題が違うので他人には通用しない。そうして次々と無人島の住人たちをさまざまな問題が襲う。

多少説教くさい部分があったりするが、生や死を単純に美化しない点はかなり好感が持てる。これはぜひ映画化して欲しいし、きっといずれ映画化されるような気がする。続巻も非常に楽しみなので、続きがでたらまた読みたい。

少年メイド 1~4巻を読んだ

乙橘によるコメディ漫画、少年メイドの 1巻から 4巻までを読んだ。

簡単にどんなお話か説明すると、家事が上手でメイドエプロンの似合うかわいらしいショタっ子が天蓋孤独の身になって、金持ちで独身のイケメンのところで生活する話である。ケナゲにがんばるショタっ子と、ほのぼのとした人間関係に癒されるといった感じだろう。BLとまではいかないが、ショタっ子を中心に妙に男同士がイチャイチャする基本的には女性向けの作品だと思う。

そんな作品をなぜ読んだのかというと、私はロリコンであるだけでなくショタっ子も好きだからだ。その理由も自分で理解していて、本来なら生物的に子供がいてもおかしくない年齢なので性別や性格に関係なくほぼすべて子供がかわいく思えてしまうようになったからだ。これでも 10代や20代前半の頃は少年だろうが少女だろうが子供はあまり好きではなかった。ついでにいえば動物もあまり好きではなく、「かわいいものに癒される」という感覚それ自体が理解できないという感じだったのだ。それがいつの頃からか、2次元・3次元に関係なくかわいい子供やあまつさえ猫にまで癒されるようになってしまった。

そういうことで可愛い少年がでていれば、それが女性向け作品であろうと私は読む。この手の作品ならではの毒気のまったくない雰囲気は少々苦手だが、毒気がありすぎるよりは癒し効果があるのだろう。女性向け作品ってこの辺が少し極端だと思う。それほど多く読んだ訳じゃないが、善人ばかりの作品と悪人ばかりの作品って結構多かった様な気がする。

作品の感想については主人公がかわいいということ以外に特に語ることは無い。それ以外は求めてないので、それで十分だからだ。続巻を買ってまで読むかは微妙だが、機会があればまたこういう作品を読みたいと思う。