24 TWENTY FOUR シーズン1を見た

本当にいまさらながらではなるが、アメリカのテレビドラマシリーズ、24 TWENTY FOUR のシーズン1を見た。

我ながら本当にいまさらだとは思う。しかし以前話題となっていたのをふと思い出して見てみた。感想としては期待が大きすぎたのか、思ったよりは面白くなかった。つまらないという程でもないのだが、全24話で丸一日を描くというこの作品最大の特徴が逆に作用した結果、中だるみというか物語に集中できない原因となった。

メインのストーリーは大統領候補の暗殺計画なのだが、それに関連して様々な事件が起きる。それはそれで良いのだと思うが、私が主人公のジャック・バウアーに感情移入できていないからか、彼の家族の安否がどうでもよく思えてしまって娘や妻の誘拐事件の過程を見ているのが辛かった。一回目はともかくそれが何度も繰り返されるから最悪で、彼の家族の態度も終始自己中心的で自分の意見を振りかざす感じでうけつけなかった。

しかしやっぱり一番の問題は主人公の性格が気に入らなかったというのが大きいと思う。彼は正義感が強く任務に忠実で家族に対する愛情もある。これだけ言うとヒーローにふさわしいように思えるが、一面では独善家で協調性が無く隙さえあれば不倫もする。別に悪人だとまでは思わないが、かっこよいヒーローだとも思えない。任務に忠実だが、家族が危険になれば任務はそっちのけで行動する。家族のためには危険を顧みず行動するが、他人や他人の家族は任務のために平気で危険に晒す。要するにダブルスタンダードなエゴイストで、まさにアメリカを象徴するキャラクターのように私には思えるのだ。家族や親しい友人としてなら頼もしいが、同僚や上司には絶対持ちたくないタイプの人間だ。

またこの作品にはCTUというテロ対策の特殊機関が登場するが、この機関の仕事もいまいちはっきりしない。ジャック・バウアーやその近辺の活躍をクローズアップさせるためか、組織立って業務をこなしている描写があまり描かれていないからだ。そのジャック・バウアーその他の行動も場当たり的で、俯瞰的に事件を見ている人物が上司にもおらず、そもそも組織内部で情報を共有している描写もない。架空の機関だからと言ってしまえばそれまでだが、こんな組織はFBIやNSAといった本物のテロ対策組織から見れば足手まとい以外の何者でもないだろう。

今回登場したテロリストグループも無能だ。そもそもボスの救出と要人の暗殺を同日にこなそうとする発想が無謀だと思う。敵対するCTUも無能なので助かってはいるが、最初の大統領候補暗殺が失敗した時点で計画は失敗と判断してアメリカを出国してなければおかしい。しかも目的が家族を殺された復讐って…、また家族ですか。このテロリストも自分の家族は大切にするが、仲間の娘は平気で殺すエゴイストでうんざりした。そのくせ復讐の内容に優先順位をつけられず、無理に二兎を追って自滅している。

結論としてやっぱり見る前の期待が大きすぎたのが悪かったと思う。いくら評判が良いと言っても所詮はテレビドラマなんだから、やっぱりこの程度の内容なのだ。一応シーズン2も近いうちに見るつもりでいるのだが、今度はもう少しフラットな気持ちで楽しめるかも知れない。