ドロヘドロ 1~15巻を読んだ

林田球によるダークファンタジー作品、ドロヘドロを1巻から15巻まで読んだ。

ネットのレビューなどで好評価だったので期待して読んだのだが、思っていたよりは面白くはなかった。確かにグロテスクな描写や独特の雰囲気があって他では味わえないものがあるのは認めるが、肝心のストーリーに引き込まれるものがなかったからだ。

何故かトカゲの頭をして、その頭の中に不思議な男が住んでいる主人公。魔法使いが人間を使って実験をする街で、魔法がきかずに魔法使いを狩り続ける主人公、最初にこの手の謎の設定があって読者を引き込むタイプの作品は数多くあって、その意味ではこの作品の冒頭ではかなりの期待を持って続きを読むのだが、読み続けるにつけその謎がどうでもよくなるほどにストーリーの流れがつまらないのだ。

この手の作品は話を進めるほどに少しづつヒントを与えつつ、さらに新たな謎やミスリードを誘う罠なんかがあったりして、続きを読みたくなるものだと思うのだが、最初のインパクトの割りに後がおざなりになるケースも非常に多い。この作品はそういうケースの悪い例みたなものだ。15巻だとお話はもうクライマックスみたいで、当初の謎はほとんど解けてしまっているが、それを知ったときにも特に感動や驚きはなく、終盤に向けて新たに生まれた謎も正直どうでも良いとしか思えない。

最初に言ったとおり独特の雰囲気のある作品なのでそれだけで貴重と言えなくもないが、できれば全5巻くらいですぱっと終わってくれていればとても面白く読めたと思うだけに残念な作品だと思う。