七人の侍を観た

すごくいまさらな感じがするけど、黒澤明監督の名作映画「七人の侍」を観た。

この作品がどうして名作と呼ばれているのかとてもよく解った。基本的に私は単純な娯楽作品が好きで、何か考えさせられたりする小難しい映画はあまり好きでないのだけど、この作品は娯楽としても面白い上に、ほんの少し考えさせられる部分もある。そのバランスがとても心地よい。

映像が白黒でみやすいとは言えず、音声も明瞭では無いのでセリフも聞き取りづらい。逆にいえば最近の作品はあまり注意せずとも場面やセリフが入ってくるが、昔の作品はちょっと画面から注意を逸らすと途端に場面がよく解らなくなる。最初はそうやって慣れない感じで観ていたのだが、そのうちにどんどんと作品の世界にのめり込んでいってる自分に気がつく。今のアクション映画とかみたいに、息をつかせぬ展開が続いたりはしなくて、場面の緩急がきちんとある。そして泥臭い演出と演技がとても、戦闘の現実感を際立たせている。実はこの作品の前に同じ黒澤監督の「羅生門」みたのだが、他の作品も見てみたくなった。