隠し砦の三悪人を観た

前回にひきつづき、黒澤監督の「隠し砦の三悪人」を観た。

この作品はジョージ・ルーカスがスターウォーズの着想を得た作品として有名らしい。特に冒頭シーンやラストシーンが似ている事と、レイア姫の男勝りな性格や C-3POとR2-D2 のキャラクター設定などもこの作品を参考にしているらしい。そう言われて観てみると、スターウォーズファンの私はなるほどと思える。時代劇とSF作品という違いはあるけれど、なんとなく同じ匂いは確かに感じる。前回の七人の侍や羅生門を観て、黒澤監督がジョージ・ルーカスやスピルバーグに大きな影響を与えたという事がようやく解りかけてきた。ついでに言うと北野武は影響なんてレベルじゃなく、黒澤監督の模倣に近いような気がする。

この作品は七人の侍のようなチャンバラシーンは少ないが、珍しい槍同士の決闘シーンがあった。刀での決闘とは違って間合いが大きく、どちらかというと地味なシーンだという印象を受けた。しかしもし戦国時代の武将が決闘するとしたら、やっぱり刀よりは槍だったろうと思う。刀が現在考えられているように重要になるのは江戸時代に入って平和が訪れた後の事だからだ。多数と多数が戦う戦場では刀など役に立たない。戦国武将がまず重んじる武芸はまず弓で次に馬、そして槍である。まあ集団戦で威力を発揮する槍で決闘をするのはどうかという問題もあるが、特に決闘する必然性もなく挿入されたシーンのように思えるので細部にこだわる必要も無いだろう。