Amazonプライムビデオで古谷一行の金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」を見た感想

Amazonプライムビデオで古谷一行の金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」を見た。

プライムビデオで見られる古谷一行の金田一耕助シリーズもこれで7作目にしてラスト。最後の最後はシリーズ第1作目にして傑作中の傑作であるこの「犬神家の一族」でしめたいと思う。犬神家の一族といえば1976年に監督:市川崑、主演:石坂浩二で撮られた映画の方が有名かも知れないが、こちらのTVドラマも初放映時の最高視聴率は40%を超えるという知る人ぞ知る名作のようだ。

実際私はこれまでにも1976年の映画「犬神家の一族」だけでなく、そのリメイクである2006年の映画「犬神家の一族」も見た事はあるが、このTVドラマシリーズはこれらにない良い部分がたくさんある。

まあ映像美という点では市川崑監督による手腕や、制作にかけられている費用などを鑑みても映画に今一歩譲るかもしれないが、約2時間という時間制限のある映画と違って、1時間ドラマ約45分x5本という時間を使って丁寧に描かれるTVドラマ版の物語の方が登場人物それぞれの心情がより深く解って良い。

また映像美というほどのものではないが、この作品の重要な要素の一つであるスケキヨの仮面は映画版よりこちらの方がインパクトが強い。死体などは時代もあるだろうがいかにも人形という感じで笑ってしまうほどだが。

他にも映画版とこちらのTVドラマ版で違い部分はたくさんあるが、私が特に面白いと思ったのは二代目水戸黄門こと西村晃の演じる古舘弁護士が、黄門様だけあって非常に賢そうで、金田一耕助と並ぶとホームズとワトソンの様な名コンビに見えるなと思うほどだった。おそらく出番も映画版より多かったと思う。

これまでに「犬神家の一族」を一切みた事がないという人はまず1976年の映画版を見る事をおすすめするが、この映画を見た事があって犬神家の一族を再び見たくなったという人にはこちらのTVドラマ版をおすすめしたい。