おたくの娘さん 10巻を読んだ

おたくの娘さんの10巻を読んだ。

8巻や9巻の頃とくらべてシリアス路線からギャグ路線へ舵を切った感があって素直に面白い。叶に実は父親違いの弟がいたという展開は当初あまりの唐突さに驚き、弟とその父親に会いに行くという段階ではまたもシリアス展開かとうんざりしつつあったが、最後にまさかのオチがついたのでかえって不意をつかれて爆笑してしまった。現実にはありえない展開と設定だが、緊張と緩和の絶妙なバランスが効いたナイスギャグである。

ただ耕太が連載を持つ漫画家を目指すエピソードなど、シリアスにしたいのかギャグにしたいのか定まってないのは相変わらずで、いきあたりばったりの思いつきでかろうじて連載をしているという印象はぬぐえない。独身男の子育てという根本的な設定からシリアス路線に容易に傾いてしまう傾向があるのも理解はできるが、それならそもそもこんなに現実的に回収困難なフラグをたてまくらずに、6巻あたりで綺麗に完結させておくべきだったのだ。

個人的にはもうホームドラマ路線も無理そうだし、開き直って千尋先輩のような変態キャラを増やしてナンセンスギャグ路線を突っ走ってもらった方が良いような気がしてきた。一応耕太に惚れてる設定が定着した遥も、ヒロインキャラとしての魅力をまったく描けてないのだから無駄に登場させる必要はない。この際、シリアス要員の大量リストラに踏み切り、新たなギャグ要員の前沢医師などをもっと活用して欲しい。