UN-GO (アンゴ)を観た感想

テレビアニメ、「UN-GO (アンゴ)」を観た。

UN-GO (アンゴ)というタイトルは、昭和前期に活躍した小説家・坂口安吾の作品をアレンジしているかららしい。ただこのアレンジとやらがなかなか曲者で、時代を昭和から近未来に変更したり、オカルトやSFといった要素も追加されている。かつてモンテ・クリスト伯の小説を独自の解釈でアレンジした巌窟王というアニメがあったが、系統としては似たようなものだろうか。すでに著作権の有効期限が切れているので原作者にお金を払う必要もないし、独自の解釈をいくら付け加えても原作者から文句を言われる心配もない。それなら最初から完全オリジナルでもいいんじゃないかと思うが、色々と大人の事情ってやつがあるのだろう。

という事で主人公は一応探偵という事にはなっているが物語としては推理モノという感じはあまりない。証拠を集めて理論を構築するという感じではなく、人ならざる相棒・因果の特殊能力で犯人に自ら動機や罪を告白させてしまうからだ。良く言えばいろんなジャンルのいいとこ取りした実験的作品、悪く言えば腐女子狙いのお子様ランチといった所だろう。全11話という短さのためか、設定の上辺だけなぞっただけでストーリーに深みを足すという所まで描く事はできずに終わっているのが残念だった。