GUNSLINGER GIRL 13巻を読んだ

GUNSLINGER GIRLの13巻を読んだ。

物語はクライマックスにさしかかり、主要なキャラクターの死亡あるいは死亡の予兆が描かれ始めている。もともとハッピーエンドが期待できるような作品ではなかったが、それなりに思い入れのあるキャラクターが凄惨な死を迎える描写は見ていて辛いものがある。

おそらくこれから数巻をかけてそれぞれの死を描いて物語は最後を迎えるのだろう。誰が生き残るかは解らないが、敵味方のほとんどが死亡するに違いない。別に最後のどんでん返しとかはいらないから、一つ一つの場面を丁寧に、それでいてテンポ良く描いてもらいたい。15巻くらいで終わってくれると丁度よいのではないだろうか。それ以上続くとさすがにちょっとくどくなるような気がする。

スリーメン&リトルレディを見た

スリーメン&ベビーに引き続き、続編であるスリーメン&リトルレディを見た。

前作の最後で娘一人、母親一人、父親三人という共同生活を始めたのだが、5歳に成長したメアリーと親達の騒動を描いている。

メアリーは小学校に入る年齢になり、特殊な共同生活は社会との摩擦を少しづつ生み始める、そして普通の幸せを求める母親のシンディは再婚を真剣に考えることになる。5人の共同生活の危機に三人の父親達はどう行動するのだろうか。といった感じのお話である。

まあ左の画像にオチが描いてあるわけだが、結局落ち着くところに落ち着いたという感じだ。別に普通と違ういろいろな家族が居ても良いと思うが、普通と違う生活を何のストレスもなく満喫できる人はそれほど多くは無い。完全な当て馬にされたエドワードは実に気の毒だが、5人にとっては必要な通過儀礼だったのだろう。

悪い言い方をすればハリウッドらしい無難な着地点に落ち着いたという感じで、原作のフランス映画がまた違った後日談を描いてる事を思えば、比較すると面白いかも知れない。

映画 バラ色の選択を見た

マイケル・J・フォックス主演の映画、バラ色の選択を見た。

1993年製作の古い映画だが、バックトゥザフューチャーを現役でみた世代はマイケル・J・フォックスが好きだという人も多いと思う。

日本全体がずっと不景気だからか最近はこの手のサクセスストーリーを見ることはあまりないように思える。マイケル・J・フォックスといえば “摩天楼はバラ色に” を始めとしてアメリカンドリームを夢見る若者を演じることが多いが、私としては不景気だからこそこういう夢を抱かせるような物語を作って欲しいと思う。

ストーリーはまるで “摩天楼はバラ色に” を焼きなおしたような感じでいまいちだが、マイケルファンとしてはマイケルが出演しているというだけで見る価値がある。逆に言うとマイケルファンで無い人が見ても面白くはないだろう。

スリーメン&ベビーを見た

アメリカのコメディ映画、スリーメン&ベビーを見た。

フランス映画のリメイクらしいが、自分はハリウッド版の方がなじみが深い。1987年というからかなり昔の作品だが、レンタルビデオで借りて何度かみた記憶がある。

この作品が面白いのは何より子供なんかに興味なさそうな独身貴族の男三人組が、突如赤ん坊の世話を押し付けられて四苦八苦する所にある。そしてやがて情が移ってしまい、最後には赤ん坊中心の生活を送るようになってしまうという展開の面白さがある。

すべての男がそうだとは思わないが、自分も若い頃は子供や動物なんて好きじゃなかった。しかし親戚や友人の子供に妙に懐かれたりすると、いままで自分では考えもしなかった感情が沸いてきてとまどったのをよく覚えている。そうしうのがよく解るからより一層この作品を楽しめるんだと思う。

この作品にはスリーメン&リトルレディという続編があるので、そちらもぜひ見たいと思っている。

ノ・ゾ・キ・ア・ナ 1~7巻を読んだ

本名ワコウによる漫画、ノ・ゾ・キ・ア・ナの1巻から7巻までを読んだ。

壁に穴のあいた隣同士に住む男女が、曜日を決めてお互いを覗き合うという契約を結ぶという、簡単に言ってしまえば学生などの比較的若い童貞ご用達のちょっとエッチな漫画である。小学館の携帯コミック「モバMAN」でダントツの人気があるみたいだが、どんな層が読んでいるかは推して知るべしといった所だろう。

いきなり上から目線の物言いで申し訳ないが、自分も学生の頃はこの手の作品が大好きで、遊人の作品なんかをよく愛読していものだ。だからこういう作品の評価は面白いか面白くないかではなく、エロいかエロくないかでするべきだと思う。

そして18禁ではない作品にしてはがんばっている方だとは思う。大人向けの官能小説にあるようなねっとりとした濃いエロスには欠けるが、若さを感じさせる勢いのある性描写は結構いいと思う。タイトルや設定からは濃い目の性倒錯を描くように思われるが、主人公の性格からか以外と普通の恋愛描写が多い。これなら昭和初期のエログロ小説の方がよっぽどエロい。そういう意味で思春期の青少年むけに作られた作品としては、絶妙なバランスを持っているように思われるし、人気がでるのも素直に納得ができる。

TRICKを見た

ひさびさにテレビドラマのTRICK(1期、2期、3期、スペシャル1・2)を見た。

さすがにテレビドラマを全3シーズン+αともなれば結構見るのに時間がかかったが、この作品が大好きなので最後まで飽きずにみることができた。

演技の下手なアイドルがでているドラマよりも、こういうちゃんとした俳優さんたちがでている作品の方が面白い。役者に実力があるから演出の自由度が高くて、随所に笑いがこめられているのも楽しい。これがアイドルとかだと、シリアスのシーンと笑いのシーンの区別がつかなくてグダグダになってしまう事があるからだ。その点この作品は、仲間由紀恵・阿部寛・生瀬勝久といった主要キャラのみならず、脇を固めている役者さんたちの演技も良かった。

話の設定としてもミステリーの謎解きを、手品師にトリックを見破らせるという斬新な手法にしたところも良かった。この点については最後の方で少々ネタ切れ感がでてきたが、うまく演出でカバーしていたと思う。

また続編を作って欲しいとは思わないが、同じメンバーで新しい企画をやって欲しいなとは思う。どんな作品になるかは解らないが、きっと面白いものになるだろう。

花と奥たん 1巻を読んだ

高橋しんの漫画、花と奥たんの1巻を読んだ。

最終兵器彼女の高橋しんらしいといえばらしい作品だが、少し不思議な作品だと思う。

ある日突然都心部に巨大な花が出現し、東京には人が住めなくなってしまった。主人公のモモ(奥たん)は、ミニウサギのPたんと一緒に夫である正太郎(旦那たん)が東京から帰ってくるのを待って、毎日おいしい晩御飯を作っている。日常と非日常のアンビバレントな融和、終末的な世界観にけなげな少女という組み合わせは最終兵器彼女と共通しているが、この先この物語に救いがあるのか無いのかはいまのところは解らない。

さて1巻を読んでの感想だが、いまのところは世界観の説明で終わってるという感じで、物語がこれから面白い方向に進んでいくのかそうでないのかも解らない。個人的には2巻をぜひ読みたいと思うほど面白いとは思えなかった。最終兵器彼女の時も思ったが、終末世界で純愛とかさすがにちょっと気恥ずかしい。現在進行形で片思いをしている中学生が好きそうな、こういう一種のナルシズムを無批判に受けいられるほどもう若くないのだ。

ただモモはかなりかわいいと思うので、アニメ化されて動いてしゃべるならちょっと見てみたいかも知れないな。

フダンシズム-腐男子主義- を読んだ

もりしげによる漫画、フダンシズム-腐男子主義- を読んだ。

BL作品が好きないわゆる腐女子に恋をしてしまった、眉目秀麗かつ文武両道のパーフェクトプリンスの物語。このプリンス、頭は良いのだがいわゆる天然というやつで、腐女子である片思いの少女に近づくために女装して腐女子を演じる。その女装までも完璧に似合ってしまうところが漫画ならではなのだが、そこからいろいろな事件が巻き起こるラブコメディといった感じの作品だ。

BLをよく知らない男性読者のために、軽めのBL講座なんてのもある。こういう趣味をわざわざ解説するなんて野暮なことだと思うが、雑誌で読んでいる比較的一般の読者には親切なのかも知れない。

ところで登場するヒロインたちの多くが濃い目の腐女子として描かれているために、どのヒロインにもまったく萌えることができない。多分この作品の真のヒロインは、主人公が女装して演じるアマネなんだろう。私も実際に女装をしたいとまでは思わないが、変身願望というか女性としての生活も体験してみたいというのは男にとってむしろ自然な事だと思う。登場人物のほとんどが何かしらの性倒錯を持っているので、主人公の女装を変質的に感じないというのもあるだろう。

ただ残念なことに男性読者の共感を得るためか、タイトルに反して主人公が最後まで “腐男子” にはならなかった。話のなかではBL作品にも理解を示し、腐女子を演じる事やそこで生まれた人間関係を心底楽しむようになったが、それを “腐ってる” とは多分言わないように思う。もちろん実際の腐女子にだって、軽めの人もいれば非常にディープな人もいるのだろうが、この主人公を腐男子と呼ぶのは少々納得がいかない。私自身が腐男子ではないのでうまく説明ができないが、この主人公は他の腐女子達とは違ってBLや原典の作品が好きなのではなく、そこで生まれた人間関係が好きなのだと思うからだ。もしこの主人公がガッツリBLにはまったとしたら、おそらく多くの男性読者が引くことは容易に想像ができるのだが、いくとこまでいった方が話題にはなっただろう。

現在は高校生になった主人公たちを描いた “フダンシフル!” という続編が連載中なのだが、さらに一般読者受けを狙ってありがちな文化系学園ラブコメになりつつある。高校に漫研がないから部員を集めて漫研を作ったり、他の同好会と部室をかけてドッジボールの試合をしたりと、いつの時代の作品だとツッコミを入れたくなるほどの駄作である。テレビアニメ化でも狙っているのだろうか。

自殺島 1~5巻を読んだ

森恒二による無人島サバイバル漫画、自殺島 1巻から5巻までを読んだ。

無人島を舞台にしたサバイバルを描いた作品は数多くあるが、この作品の特筆すべき所は、サバイバルすべき登場人物たちがみな「自殺志願者」だと言うことだ。何度も自殺を繰り返しても死ぬに死ねなかった人間たちが政府の手によって無人島に置き去りにされるという設定はとても奇抜で面白い。

もともとが自殺志願者だから、無人島での過酷な状況に耐えられず自殺する人間は後を絶たない。そして自殺する事ができずにとりあえず生き残ることを選択した者たちの中には、先に死んでいった者たちに対する「コンプレックス」がある。生き残ることを単純に良しとせず、それぞれが自ら生きるという選択に至る過程が丁寧に描かれているのである。

主人公は現代日本の社会では何の夢や希望を持てずに無気力に暮らしていた。周りの人間に「夢を持て」と言われ続けてもついに夢を持つ事はできなかった。そうしてただ生きているだけでは許されない社会に適応できなかった主人公は、ただ生きるという事が非常に困難な世界で自らの幸福を見出す。島で何も考えずにただ生きる動物達に魅了され、その生命を奪って生きる狩人となる事を選択したのだ。

そうして自殺志願者から狩人となった主人公は、今度は個人の問題から集団の問題に直面する。生きる決意が生まれても自分一人では生き残れない。そして周りは未だに生きるという事に積極的な意志を持てずにいる者ばかりだ。自分の体験や考えを言葉で伝えても、それぞれの抱えている問題が違うので他人には通用しない。そうして次々と無人島の住人たちをさまざまな問題が襲う。

多少説教くさい部分があったりするが、生や死を単純に美化しない点はかなり好感が持てる。これはぜひ映画化して欲しいし、きっといずれ映画化されるような気がする。続巻も非常に楽しみなので、続きがでたらまた読みたい。

少年メイド 1~4巻を読んだ

乙橘によるコメディ漫画、少年メイドの 1巻から 4巻までを読んだ。

簡単にどんなお話か説明すると、家事が上手でメイドエプロンの似合うかわいらしいショタっ子が天蓋孤独の身になって、金持ちで独身のイケメンのところで生活する話である。ケナゲにがんばるショタっ子と、ほのぼのとした人間関係に癒されるといった感じだろう。BLとまではいかないが、ショタっ子を中心に妙に男同士がイチャイチャする基本的には女性向けの作品だと思う。

そんな作品をなぜ読んだのかというと、私はロリコンであるだけでなくショタっ子も好きだからだ。その理由も自分で理解していて、本来なら生物的に子供がいてもおかしくない年齢なので性別や性格に関係なくほぼすべて子供がかわいく思えてしまうようになったからだ。これでも 10代や20代前半の頃は少年だろうが少女だろうが子供はあまり好きではなかった。ついでにいえば動物もあまり好きではなく、「かわいいものに癒される」という感覚それ自体が理解できないという感じだったのだ。それがいつの頃からか、2次元・3次元に関係なくかわいい子供やあまつさえ猫にまで癒されるようになってしまった。

そういうことで可愛い少年がでていれば、それが女性向け作品であろうと私は読む。この手の作品ならではの毒気のまったくない雰囲気は少々苦手だが、毒気がありすぎるよりは癒し効果があるのだろう。女性向け作品ってこの辺が少し極端だと思う。それほど多く読んだ訳じゃないが、善人ばかりの作品と悪人ばかりの作品って結構多かった様な気がする。

作品の感想については主人公がかわいいということ以外に特に語ることは無い。それ以外は求めてないので、それで十分だからだ。続巻を買ってまで読むかは微妙だが、機会があればまたこういう作品を読みたいと思う。