ハンニバルを見た

前回羊たちの沈黙を見たのに引き続き、続編のハンニバルを見た。

前作にも増して猟奇的な描写が強烈な印象を残すこの作品だが、映画としての完成度はやはり前作には及ばないように思う。何より前作を経て、ある程度猟奇描写に対する慣れみたいなのが生じるからだ。前作にあったようなはりつめた緊張感は緩和され、猟奇描写には衝撃より嫌悪感の方が強く沸いてくる。

ジョディ・フォスターにかわってクラリス役を演じたジュリアン・ムーアは、なかなかの好演を見せてはいるが残念ながら存在感という点ではいまいち劣る。ハンニバルというタイトルどおり、アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士の独壇場といった感じだ。

ただし総合して前作にはかなわないものの、ひとつの映画としては名作の部類に入るだろう。まだ見たことがない人には羊たちの沈黙からとおして見ることをお勧めするが、やはり同じような感想を持つと思う。