GOSICK -ゴシック- を見た

テレビアニメ、GOSICK -ゴシック- を見た。

安楽椅子探偵を基本とした古典ミステリに、ヨーロッパ的オカルト要素を足した感じの作品。ミステリといっても謎や仕掛けは古典的というかありふれたものばかりなので、ちょっと察しのいい人はすぐに解けるものばかりだ。そういう意味では謎解きや犯人さがしを楽しむ作品ではない。オカルト要素の方も架空の王国の架空の伝説を下敷きにしており、広がりがないというか行き当たりばったりで設定を付け足していってるような感じだった。

物語中盤に登場する錬金術師リヴァイアサンの活躍やその謎を解くあたりは、まるでオペラを見ているような展開で楽しめたが、終盤にかけてちょっと展開が雑だったような気がした。オカルト省のブロワ公爵が国の実権を握って、さあ戦争だという時に開戦も待たずに死んでしまったのが本当にいただけない。これまで灰色狼だのなんだのとさんざんひっぱってきてこの体たらくかよと、文句の一つも言いたくなる。実際問題としてブロワ公爵が目的を達成するのにヴィクトリカの存在は必要なかった。ジュピター・ロジェを失脚させるには形見箱があればいいし、国民を扇動するなら本人ではなく影武者を仕立て上げてもよかったはずだ。開戦後の国家戦略について助言を得るつもりだったと考えられなくもないが、王国とドイツとの協力体制に関してはヴィクトリカに何の相談もなく自分の判断で勝手に進めてしまっている。戦争をするにあってどこと同盟を組むかというのは国家の命運を握る死活問題なのに、これについて相談しなかったというのは他の事についても相談する気がないと言う事だろう。

なんとなくアニメ化されるからには人気のあるライトノベル作品なのだという先入観があるが、もしかして漫画でよくあるように急に打ち切りが決まって急いでハッピーエンドを演出しなければならなかったというやつだろうか。それとも原作の方では駆け足ではない結末がきちんと描かれていたのだろうか。