荒川アンダーザブリッジ 1巻~11巻を読んだ

テレビアニメ第一期第二期を見たのに引き続き、荒川アンダーザブリッジの漫画 1巻~11巻を読んだ。

正直なところわざわざ漫画で見るまでも無かったような気がする。十分に面白いのだがアニメの再現率が高かった事もあって、漫画でもう一度読む理由がそれほどなかったからだ。ただアニメ化されてない細かいエピソードもちらほらあったので、その点は良かったかも知れない。

しかし単行本を読み進めていくうちに例によって無駄なシリアス展開が続いて、その部分は面白くない。ギャグ漫画だからたまのシリアス展開もいいだろうと思うのだが、この作品の場合無駄に力が入っていて白ける。そもそも河川敷の住人はミステリアスでありながらも細かいことにこだわらないおおらかな性格が魅力だと思うのに、わざわざシリアスを入れる事によってその良さをぶち壊しにしている。まるで手品の種明かしを無理やり見させられているような気持ちになるのだ。ギャグのセンスはとても素晴らしいのに野暮な作者だと思う。

脇役キャラとして本当はSF漫画を描きたい萌え漫画家が登場するが、あれって作者の代弁者なんだろうか。いずれにせよシリアスを描きたいとしたら他の作品でやってもらいたい。特に金星行きの回の後しばらくはキャラクターがとっちらかっててギャグの冴えも見えなかった。ロケットに乗ったのが高井とリクの二人ってオチは相当笑えたんだけどね。

いろいろと批判的な事は書いたがやはりこの作者はギャグに関しては他にはあまり見られない部分があると思うので、できればギャグとしてこの作品をかき上げて欲しいと思う。稲中卓球部の古谷実みたいにギャグはギャグ、シリアスはシリアスでその才能をぶつけたもらいたいものだ。