黄昏乙女×アムネジアを観た感想

テレビアニメ「黄昏乙女×アムネジア」を観た。

あらすじとしては、主人公の通う学校の怪談として有名な夕子さんに取り憑かれ、その夕子さんの失われた記憶を取り戻すために怪談の謎を追うというストーリー。しかしそんな設定よりも、幽霊であるが故に久しぶりに人と会話できた夕子の主人公に対するベタ惚れっぷりがすさまじく、作品全編を通してイチャラブ・バカップル全開である。

いや別にイチャイチャする事は別に構わないのだが、あまりにも度を超えた夕子の主人公に対する依存具合が、かわいらしいを通り越してウザいというか正直に言えば気持ち悪かった。主人公がやたらと性格の良い美少年だったり、モチーフが学校の怪談だったりと、どちらかといえば男よりは女向けの作品なのかも知れない。

そしてこの手の「学校の怪談」を題材にした作品は、得てして「幽霊よりも人間の方が怖いよね」なんて感じの、群集心理の暴走を安直に描く方向に話が向かいがちなのだが、この作品についてもやっぱり同様の展開が待っていた。

群集心理の暴走がとても怖いことは否定はしないが、暴走した人々が完全に理性を失っていたりすると、怪談というよりまるでゾンビ映画を見ているような気分になる。私が本当に怖いと思うのは、暴走した人々がそれでもなお理性を保っていて、自分たちのやる事が悪い事だと自覚した上で、「ごめんね」といいながら人を殺そうとしたりしてるような描き方だ。こういうのはそれに至るための過程を描くのが長くなる上に、救いがまったく無くなるのでアニメ向きではないかも知れないが、本当に怖いと思う。

まあもともとあまり期待をして観たわけではないので、こんな風に色々と感想を考えている時点で実は結構楽しめたのかも知れない。