Amazonプライムビデオで「隠し剣 鬼の爪」を見た感想

Amazonプライムビデオで「隠し剣 鬼の爪」を見た。

前回見た たそがれ清兵衛 と同じく、藤沢周平の短編時代小説を山田洋次監督が映画化した作品だ。主演は永瀬正敏である。

話の大筋は同様の指摘がアマゾンのレビューにもあったが、たそがれ清兵衛とほぼ同じ。実は剣の腕は立つがうだつの上がらない侍が、武士の世界のしがらみで一緒になる事ができない幼馴染的な女性となんやかんやあった後に、謀反の罪を着せられて立てこもるかつての同僚にして剣の達人を討てという命令をいかにも悪そうな家老から受けるという流れ。

ただ私はたそがれ清兵衛に比べるとこの「隠し剣 鬼の爪」の方がよりハードボイルドな印象を受けた。清兵衛と違いこの作品の主役の片桐宗蔵は独身だし、藩命を受けてそれを果たした後の行動とその結果がいかにもハードボイルドだ。さらにその後の行動についてはハードボイルドではないが、全体的には時代劇風ハードボイルドと言っても良いと思う。

まあ黒澤明監督と三船敏郎のコンビの七人の侍を始めとしたかつてのアクション時代劇の方がハードボイルド要素は強いかも知れないけど。結論としてたそがれ清兵衛を見て面白いと思った人は見て損はないと思う。話の大筋が似てたら似てたで、今度はわずかな違いを楽しむという方法もある。