彼岸花の咲く夜に 第一夜

ひぐらしやうみねこで有名な 07th Expansion の最新ソフト、彼岸花の咲く夜に 第一夜をプレイした。

これまでと違って一話完結の短編を全7話収録していて、内容は小学校を舞台にいじめの問題を怪談という要素に絡めた描いたファンタジー作品といったところ。私は「ひぐらし」を目明し編の頃から購入している、この作者の比較的長いファンの一人なのだが、「うみねこ」でダラダラと無駄に長い文章を読まされて今後はもう買うのは止めようと思っていた。しかし今回は気軽に読めそうな短編だという事、広げた風呂敷をたためなくなるようなミステリーではなくホラーだという事で、発売から少々遅れたがプレイしてみることにした。

正直な感想としては元もとの期待値が低かったこともあって、まずまずといったところ。物語の構成は相変わらず酷いが、竜騎士07 ならではのサウンドノベルの特色を生かした絶妙なストーリーテリングが光っていると思う。ただフィクションにしてもやりすぎといった感のある陰惨ないじめを描いているので、過去にいじめを受けた経験がある人は不快に思うかも知れない。さらにいじめ描写への批判をかわすためかは知らないが無意味に説教くさい部分も多いので、個人的にはその辺りが鼻についた。

読後感は、満足というわけでもなく不快というわけでもなく、良くも悪くも凡作という印象である。しかし「ひぐらし」で名前を売りすぎて「うみねこ」で盛大にこけたと私は思っているので、今作のようなボクシングでいうジャブ的な作品を継続的に出してくれればこれからも 07th Expansion の作品を買い続けると思う。結論として、「ひぐらし」や「うみねこ」のようにこの作品に過大に期待を持つような人にはおすすめできないが、サウンドノベルが好きで暇だからとりあえず何かプレーしたいという人の選択肢の一つとしては良いのではないかと思う。