ヴィンランド・サガを読んだ、ヴァイキングかっこよすぎ

幸村誠による漫画、ヴィンランド・サガを読んだ。

プラネテスの作者の最新作という事だが、舞台は一転して11世紀の北部ヨーロッパ。スカンジナビア半島やブリテン島を中心にヴァイキングの活躍を描く歴史物語。歴史もの漫画といえば日本や中国を舞台にした作品がほとんどで、ヨーロッパを舞台にした作品だと古代や近代がちらほらあるだけだったが、中世のしかも初頭というのは実に珍しいと思う。

ただ作品全体を覆う雰囲気としては秦帝国の建設を描いたキングダムとちょっと似ているところがある。まだ文化や統治が未発達で戦闘も個々人の武勇や兵士たちの士気がほとんどを占めている時代で、王よりもその配下の一将兵にスポットライトが当たっている点などだ。またキリスト教がヨーロッパ北部に普及する以前の話なので、近代では主に奪う側となるキリスト教徒が、この作品ではヴァイキング達に奪われる側で描かれているのも面白い。キリスト教が奪う側に回るのはヴァインキングがそれぞれの地域で同化して帰依して以降の話である。

歴史物語という事なので史実をたどれば今後の話の展開の大筋を知る事はできる。しかしその時代の息吹というか雰囲気を物語という形で見事に描きだしているので今後の連載も実に楽しみだ。アニメ化されたら海外ですごく人気がでそうだなと思う。