ハイスコアガール 1~4巻を読んだ感想 微妙に懐かしく、そして微妙に懐かしくない漫画だ

以前からネット上で時々良い評判を目にしていた、押切蓮介による「ハイスコアガール」を1巻から4巻まで読んでみた。

舞台は湾岸戦争が勃発した1991年から始まる。しかし物語はそんな世界情勢とは関係なく、格闘ゲームを中心としたアーケードゲームが上手い事がアンデンティティの小学生の男子と、やはりゲームが大好きだがどこか謎めいた雰囲気を持つ少女を中心に進んでいく。

今の子供は知らないが、昔は小学生時代の自由時間をゲームをやって過ごした人は多いと思う。この漫画はそういう人間のノスタルジーを痛烈に刺激してくれる。私自身は格闘ゲームはあまり好きでなかったので、肝心のゲームの内容についてはあまり懐かしさを感じなかったものの、「ゲームを一緒にプレイして遊んでいた仲の良い女子が転校してしまう」という第1巻の最後の流れで、古い記憶の中に閉じ込めておいた小学生時代の淡い思い出を呼び起こされて思わず泣きそうになってしまった。

ただし私の思い出のゲームはRPGのドラゴンクエストで、相手の少女も金持ちのお嬢様ではなく、どちらかというとあまり裕福でなかったが故に家庭の事情で転校してしまったのだが。性格も行動的で明るく、この漫画の少女とは似ても似つかないのだが、転校当日のお別れのプレゼントとか、空気を読めない先生の行動とか、自分の思い出とかぶるエピソードが何個かあったためにかなり強烈なノスタルジーを味あわされてしまった。

第2巻からは主人公が中学校・高校と進学するのだが、私自身すでに中学校からゲームをあまりやらなくなったという事もあって、ノスタルジーを感じるというより色々なゲームうんちくを知って感心するという感じになってしまったが、第1巻の段階ですでに主人公に対する感情移入が出来上がってしまっているので、実際の自分とは違う人生を追体験するような感じで楽しめた。

という事で、どこか懐かしく、そしてそれほど懐かしくもない漫画だが、ぜひ5巻以降も読みたいと思う。