最後の制服を読んだ

袴田めらによる名作百合漫画、最後の制服を読んだ。

私は百合を前面に押し出した作品はそれほど好きではないのだが、この作品は特に情緒的というか詩的な雰囲気で結構お気に入りである。

思春期特有の危うさや思い込みをとても上手く描いていて、女の子同士のほのかな恋愛を描いているのにも関わらず妙に共感できる。自分も中学生くらいの頃は狭い世界で自分の思い込みの力だけで恋をしていたからだ。なんというかこの作家さんはそういう罪のないエゴイズムというか、かわいらしい身勝手さを描くのが上手いのだと感じる。百合を耽美さだけではないというか奇麗事のみだけで描かない所に好感が持てる。それでいて悪意や嫌悪感はまったく感じない。

機会があれば袴田めら氏の他の作品もいずれ読んでみたい。