魔法少女まどか☆マギカを見た

テレビアニメ、魔法少女まどか☆マギカを見た。

例によって最近お気に入りの新房昭之監督の作品という事で見た。しかし本来私はいわゆる変身ヒロインものや魔法少女ものといったジャンルのアニメを見ないので、本当は見ないつもりだったのだが最近では貴重なオリジナルアニメという事で遅ればせながら見る事にしたのだ。

正直な感想としては想像以上に面白かった。私が個人的に変身ヒロインものに抱いているイメージとは違って、どちらかといえばエヴァ以降ありがちな主人公が戦う事に苦悩するタイプの、良く言えば心理描写がリアルな、悪く言えば青臭い作品内容だった。この様にストーリー展開そのものについては可もなく不可もなくと言った印象だったが、作画の演出が近年になく素晴らしかった。

特に魔女との戦いにおけるサイケデリックな異世界の描写が、これは劇団イヌカレーというアニメーターユニットが担当しているらしいが、上記のやや暗めの心理描写と非常によくマッチしていてより作品世界に引き込ませてくれた。こうなるとやや青臭い登場人物たちの戦いに対する葛藤が、より際立たされて年甲斐も無く感情移入してしまう。さすがに最終話あたりの、ほむらが時間を越えて何度もまどかを助けようとするループ展開とか、まどかが宇宙全体を再構築するとか、最近のアニメにありがちすぎる無意味に壮大な超展開は見るに耐えなかったが、全体としてはやはり良い作品だったと思う。

惜しむべきはオリジナルアニメという事もあって全12話という作品の短さだと思う。これが全24話だったら終盤の超展開にある程度の説得力をもたせるか別の着地のさせ方ができたろうにと思うからだ。その点、良作だと思うが名作というほどでもない結果になっていると思う。しかし最近はラノベや漫画原作ではないオリジナルアニメがまた少しづつ増えてきているから、いずれエヴァを超える新時代の名作が誕生するかも知れないという期待はもたせてくれた。