化物語を見た

新房監督つながりでまたまた久しぶりに化物語のアニメを見た。

この作品は新房監督ならではの演出的試みがふんだんに盛り込まれていると思う。また声優さんたちの演技もかなり良い。文字の静止画像を多用した演出は終盤でちょっとくどく感じられるが、よく動く動画とのギャップが感じられておおむね好印象だった。

ストーリーや世界観は典型的ライトノベルのテンプレートに京極夏彦のような民俗・伝承の風味をちょっと足したような感じで特筆すべきところは別に無い。強いていえばオタク好みのキャラクター達がとてもいい味を出していると思う。民間伝承や怪異なんて話題を扱うのだから普通はもっと人物にリアリティを求めると思うのだが、逆にラノベやアニメにありがちなキャクターとして描く事によってストーリー自体の重さというか真実味を緩和して娯楽作品としてよくまとまっているように思える。

エンディングの曲もかなり良いし、中学生の頃にみてたらかなりはまっていたんじゃないかな。良い意味での中二病、明るい中二病って感じ。まあいいおっさんの自分はロリキャラがかわいいって事の方が大事なんだけどね。ただ初見はともかく何度もくりかえし見て面白いってもんでもないかな。

それでも町は廻っているを見た

原作漫画を読んでいるのでアニメは見る必要ないと思っていたが、結局新房監督つながりでそれでも町は廻っているのアニメを見た。

当初予想していたよりは面白かったと思う。原作がそもそもあまり盛り上がりが無いというか淡々とした作品なので、めちゃくちゃ面白いという訳では無いが気楽に見るにはよい作品だと思う。主役の歩鳥役に抜擢された若い声優さんの声質や演技が最初は気になったが、最後の方ではあまり気にならなくなっていた。

この作品は全般絵が綺麗というか色使いがシックで見やすい印象を受けた。特にオープニングの映像は演出といい曲のアレンジといいセンスの良さが光っていると思う。なおオープニングの演出やコンテは梅津泰臣という人。

逆に気になったのはジョセフィーヌのカットインが途中からネタ切れしたのか同じようなネタの繰り返しが多かった所だ。ネタが無いなら無理して入れ込む必要もなかったと思うのだが、この辺の引き際の悪さも新房監督のクセみたいなもんだろう。

あと原作に無い要素なので仕方ないのだが、早セリフによる掛け合いやツッコミが無いのは残念だった。特に松田旬作役の千葉繁さんのアドリブによる早セリフを期待したのだが無難な演技におさまっていたのが残念だった。

夏のあらし!春夏冬中を見た

前回に引き続き、夏のあらし!春夏冬中のアニメを見た。

前回は期待したほどではという感じだったが、今回はそれなりに楽しめたと思う。何よりシリアスパートが短かったのが良かった。それにしてもやよゐと加奈子の会話ネタとか塩谷とか同じネタをしつこく繰り返すのも昭和ギャグのオマージュなんだろうか。しかし前期と併せて全26話という長さではちょうど飽きがきた所で終わってしまうのでマンネリの面白さが生まれるまでには至らなかった。やっぱり懐古ネタをやる以外には特にネタも無いという感じなのだろうか。いわゆる最近のアニメにありがちなネタをあまりやらない所は評価できるのだが、パロディネタばかりではもっと酷いような気がする。

ただ上でも言ったとおり下手にシリアス展開をしなかったので気楽に見れて楽しめた。基本的に昭和生まれの大人向けの作品だと思うので、アニメは娯楽として割り切って肩肘はらずに見られる作品の方が良い。娯楽でまで頭を使うのは学校であまり頭を使ってなかった学生の頃だけで十分だ。

夏のあらし!を見た

ちかごろ新房昭之監督にはまっている私だが、新房監督つながりで夏のあらし!のアニメを見た。

素直な感想を言うと少し期待はずれだった。面白くないという訳でもないのだが、新房監督の他作品のような演出や早セリフによる掛け合いがあまりなかったからだ。おそらくこの作品の世界観である “昭和” という要素を詰め込みすぎたために新房監督自身のテイストを入れ込む隙間が無くなってしまったのだろう。

この作品はとにもかくにも昭和の懐古趣味があふれた作品である。ただその漠然とした昭和という時代を大雑把に取り入れているために懐かしいという感情はあまり沸いてこなかった。某三丁目の夕日のように昭和の一つの時代を切り取ったのではなく、一つの鍋に昭和という具材をとにかく放り込んだ統一感のなさがこの作品の特徴だと思う。だからなのか途中でその昭和テイストにお腹一杯になって飽きてきてしまった。

そんなもんだから肝心の昭和テイストの再現も中途半端。懐メロを歌う声優さんたちの歌が楽曲から浮いているのは仕方がないとしても、おそらくプロの歌手が歌っているであろう主題歌のボーカルは酷かった。きっと歌がかなり上手いであろうと思われるのに、妙にスカした歌い方をして声量が出ていない。せっかくの昭和な画面に昭和なアレンジ、ここでちゃんと声を出す昭和歌謡の歌い方をすればすごくしっくりくるはずなのにボーカルの人は何を勘違いしたのかうわべの声色だけ昭和っぽい演技をして楽曲を台無しにしてしまっていた。

お話としては日常のギャグパートはそれなりに面白かったのだが、やはり戦時中のエピソードを持ち込んだシリアスパートはつまらなかった。原作準拠でいえば必要なのだろうが、そんな重い話を全13話程度のアニメでやっても感情移入できないのでもっと短くまとめて欲しかった。

たぶんこの作品は製作している側は面白かったんだと思う。そして見てる方も決してつまらないという訳でも無い。しかしこの手のパロディネタ満載の作品はもっと気楽に見たいのに、下手に考えさせられる要素を入れないで欲しかった。そうなるとこちらもつい余計なツッコミを入れたくなってしまうというものだ。

ゆるゆり 1~3巻を読んだ

なもりによるまったり日常系ソフト百合漫画、ゆるゆりの1巻~3巻を読んだ。

この作品は評価が難しいなあ。まずキャラクターの絵がかわいい。そこ褒めたら後はあまりにも没個性で強いてとりあげる所が無いような気がする。かわいらしい女子中学生のまったりした日常とほんの少しの百合要素、事件らしい事件はおきずイベントとよべるようなイベントも描かれない。日常系漫画はそういうものだと言っても、普通少しは何かが起きるものだが本当に何も起きない。ゆるゆりとは本当によく言ったものだと思う。

でもそれだけにアニメ化したら演出次第で凄く面白くなりそうな気はする。主要キャラはちょうど4人だし、苺ましまろの声優さんでぜひアニメ化してもらいたい。ついでにいうと一応主人公各のあかりは第17話で京子に「特徴がないのが特徴」と千佳と同じ事を言われている。問題はどこがスポンサーになって制作費を出すかという事になるが、一迅社はあんまりお金もってなさそうだなあ。

まりあ†ほりっくを見た

最近なんだか新房昭之監督の作品にはまっているが、ひさびさに まりあ†ほりっく のアニメを見返してみた。

まあ原作もきっと面白いんだろうけど、新房監督の演出というか作風はかなり好きだ。カラフルな画面、文字を多用した演出、早セリフによるツッコミや心理描写などアニメという媒体ならではの演出がとても良い。逆に言うと原作が違っても全部新房カラーの作品になってしまうという事だが、いまのところこのカラーには飽きはきていない。

まりあ†ほりっくの話に戻すと、やっぱり主人公である宮前かなこによる早セリフが秀逸だ。新房監督の他作の主人公たちに比べて少し滑舌が悪いように感じるが勢いのある感じが十分でているのでやはり面白い。ちなみに好きなキャラクターは画像にあるとおり寮長先生だ。ネコミミで割烹着をきた幼女、舌足らずなしゃべり方、年齢不詳正体不明。脇役にこういうキャラクターをもってくるセンスが好きだ。声優の沢城みゆきの演技もとても良い感じ。

今年の4月から第二期アニメが始まるらしいので今からとても楽しみだ。詳細はまたく知らないが監督はまた新房監督だといいなあ。

はじめの一歩 93~94巻を読んだ

はじめの一歩の93巻と94巻を読んだ。

内容としては一歩 vs ウォーリーの試合の終盤と、板垣と唐沢の試合の全編となる。

一歩の試合の方はさすがにマンネリ感というか、いつもどおりの試合展開なので多少飽きがきている感じがする。その点板垣の試合はまだまだ新鮮味があって面白い。唐沢のわざとスピードを落とす作戦なんかも良かった。まあそれでも試合展開は、試合開始 → ピンチ → 逆転 というのが基本テンプレートになっているんだけど。なんの波乱もなく順調に試合が終わってたらお話にならないもんね。あとはボクサーの性格や戦い方で特徴を出すしかないんだろう。

次はどうやら青木の試合のようだが、いつも変則的な戦い方をするのでどんな風になるか楽しみだ。個人的には一歩の試合の時よりも読みながら青木を応援してしまうんだよねえ。

ベルセルク 35巻を読んだ

ベルセルクの35巻を読んだ。

この話はいったいいつになったら終わるのだろうか。絵に迫力があるのでストーリーよりも絵を楽しむといった感じなのだが、それでも話が遅々として進まないのはちょっと困る。連載が終わってくれれば1巻から話を追って読めるのだが、単行本の発売ごとに読んでいる今は話の展開のあまりの遅さに若干いらいらするのだ。

そんなもんだから35巻1冊だけ抜き出して感想を言うのはちょっと難しい。無理になんとか言うとしたら船上でのバケモノたちとの戦闘はなかなか迫力があってよかった。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 21巻を読んだ

機動戦士ガンダム THE ORIGINの21巻を読んだ。

物語もいよいよ佳境、ア・バオア・クーの戦闘の前半を描いている。いわゆる名場面・名セリフが目白押しなので、思わず読んでいてニヤニヤしてしまう。ただその代わり漫画ならではの新解釈がほとんど無いので、その点をどう評価するかは人それぞれだと思う。

個人的に残念なのはララァの死の場面の演出を、もっと上手く描いて欲しかったと思う。正直あのシーンはオリジナルであるアニメの演出も物足りなく思っていたからだ。名作の名場面にケチをつけるのも正直アレなのだが、あのシーンは内心の描写がメインでもあることだし、漫画ならでは新解釈で独自の演出をしてもらいたかったので残念だ。

おたくの娘さん 8~9巻を読んだ

おたくの娘さんの8巻と9巻を読んだ。

内容的には8巻がクリスマスで9巻がコミケのお話。7巻で管理人さんが既婚者だという事が判明したので、遥がかわりにヒロインっぽい雰囲気を出してきてる。ただ現状この作者がホームドラマにしたいのか恋愛路線を強めていきたいのかよく解らない。千尋先輩や望の過去らしきものもでてきたが、設定にリアリティが無さ過ぎてシリアスにしたいのかギャグにしたいのかもよく解らない。9巻では遥の口から漫画家の葛藤みたいなものを語らせているし作者も何か迷いでもあるのだろうか。

正直な感想としてはこういう展開になるなら6巻あたりで終わらせておいた方が良かったような気がする。無理に話を伸ばそうとしてわけのわからない設定を後だしで出されてもまったく共感できない。9巻のラストではなんか複雑な家庭事情があるような感じを残して終わったが、キャラクターに共感できないのでどうでもよい感じがするのだ。ついでにいうとキャラクター達がやたらと「語りたがる」のもよくない。作者はなんか欲求不満でもあるのだろうか。

おたくの娘さんというタイトルが示すように、おたくが共感できるあるあるネタを絡めてホームドラマを普通に描けばいいと思うんだけどなあ。もともとの設定やキャラクターが魅力的なだけに残念な感じがする。