ケダモノの唄を読んだ

楠桂のケダモノの唄、上下2巻を読んだ。

「八神くんの家庭の事情」や「ガールズザウルス」など、この作者のギャグ要素の強いラブコメ作品がわりかし好きなので、楠桂のもうひとつの得意分野であるホラー作品も読んでみた。

もともとそれほど期待はしていなかったが、やはりというかいまいち楽しめなかった。ありがちな少女漫画のホラーテイストで、性格の悪い登場人物たちが連鎖的にひどい目にあって行く。”ケダモノ” である登場人物たちが女のもつ負の部分を強調した存在なら、この作品を楽しめる人も同様の負の部分をかかえてる人だろう。単純に言うと自己保存のために社会規範の範疇を超えて他者を犠牲にするのだが、その悪性を強調するために行動や言動がかなりデフォルメされて描かれているせいか感情移入がしづらかった。

この作品が連載されていたのは青年誌なのだが、少女誌で連載したほうが人気がでたんじゃないかなあ。

ホムンクルス 15巻を読んだ

ようやく完結かという感じだが、ホムンクルスの15巻(最終巻)を読んだ。

この作品はトレパネーションとか、人の心の内面や深層心理が見えるといった当初の設定はとてもよかったものの、最終的にはその設定をもてあましてまとまりがつかなかった感じである。

15巻以前から後半かなり長いことかけて主人公の内面を描写しているのだが、それがあまりにもありがちで陳腐すぎて読むに耐えない。どうせ展開は読めるんだからもう少し短くまとめて欲しかった。ちなみにありがちというのは主人公の心理や内面世界の話であって、漫画の作画上の表現はとてもユニークである。しかしそのユニークな表現が上滑りしているというか、物語の筋だけを小説的に読んだ場合に受ける印象があまりにも軽すぎて、作者の悪い冗談にしか思えないのだ。なにやら哲学的な意味とかあるのかも知れないが、どうせそれもありがちなものだろう。

個人的には山本英夫という漫画家は好きだったのだが、この作品でこの人の限界が露呈したような気がしてとても残念である。当初の期待ではもっと人間の心の奥底に踏み込んだ物語を期待したのだが、奥底というよりテレビドラマで使い古された上っ面のヒューマンドラマになってしまった。

サブPC用に省電力PCを組んだ

私が普段ネットや娯楽に使用しているサブPCは電力バカ食いでお馴染みの Pentium4 マシンだった。それでもシステム全体で 185W を超える事は無いので、CPUを除けば省電力PCと言って差し支えないマシンだったのだが、まもなく訪れる夏に備えてさらに省電力のPCを組むことにしたのだ。

とは言っても性能が下がっては意味がないので CPU に Atom を選ぶのは避けた。私はゲームはあまりやらないので、3D性能は必要ないのだが動画をよく見るのでグラフィック性能はある程度欲しい。できれば動画再生支援機能があればなおよい。という事でそこそこのグラフィック性能がオンボードでも実現できる AMDの省電力CPUを選択する事にした。できあがったマシンのスペックは以下のとおり。

CPU: AMD Athlon X2 BE-2350 TDP45W
マザーボード: FOXCONN A7GM-S (AMD 780G + SB700)
メモリ: UMAX DDR2-6400 2GB
HDD: HGST HDP725025GLA380 250GB 7200rpm
ケース・電源: Scythe GX-3901-WH 400W電源付き

すべてオークションで入手したので一昔前のパーツばかりだが、自分の求める必要十分な性能を満たして総額 15,000円弱である。個別に落札したので思ったより送料がかかってしまい、現行パーツを格安通販でまとめて購入しても 23,000円程度だったのを考えれば中古オークションにこだわる必要もなかったかもしれない。

TDP 45Wの省電力CPUにオンボードグラフィックを使用した最小構成。ワットチェッカーで確認するほどマニアじゃないのだが、同じような構成で調べたらアイドル時で約40W、負荷時でも約70Wとかなりの省電力である。性能も Pentium4 と比べて格段によくなったとは言えないものの、主目的であった動画再生が軽快になった。また Pentium4マシン は負荷時にはCPUクーラーのファンが轟音を立てていたのだが、今はアイドル時の CPU温度が約25度くらい、負荷時でも 30度を少し超えるだけといったところで、かなりの低発熱だ。まだファンの設定など静音化をほどこしてないので静音PCとは呼べないものの、ちょっと手を加えれば静かなPCにできるだろう。

しばらくはこのまま使って、徐々にパーツを性能アップさせていくのも楽しそうだ。多少消費電力が増えても省電力であることに変わりはないのだから。

マザーボードの電解コンデンサを交換した

結構長い事使っているサブPC内部を掃除していたら、CPUソケットの周りの電解コンデンサの1つが液漏れしているのを発見してしまった。

マザーボードはASRockのP4VM800で、液漏れしたコンデンサは日本ケミコン製のKZGシリーズ 6.3v 3300μF というタイプ。左の画像を見ると右端のコンデンサの頭頂部の防爆弁からわずかに電解液が染み出しているのが見える。ネットで調べると日本ケミコンのKZGは、日本メーカー製にも関わらず非常に信頼性が低いとの事。私もサブPCだからという理由で格安マザーボードを選んで使っているので、使用されている部品の信頼性が低いのも致し方ない。むしろこれまで何年もよくもった方だろう。

普通ならここでマシン全体の買い替えをすべきなのだが、電解コンデンサの交換にチャレンジしてみたいという好奇心が頭をもたげてきてしまった。電気工作に関してはここ何年も半田ごてを握っていないド素人なのだが、壊れてもともとなのだしやってできない事はないだろうと言う結論に至ったのだ。何より初めての事にチャレンジするのは楽しい。

電解コンデンサを取り外した後の画像。久しぶりにひっぱり出してきた30Wの半田ごては、コテ先が錆び付いていてちゃんと使用できるか不安だったが、なんとか使用できた。しかし30Wでは温度が低いのか私の技術が足りないのか、半田がなかなか溶けずにコンデンサの取り外しには相当苦労した。一応追い半田もやったのだが、そのうち基盤を焦がして駄目にしてしまうのではと作業中はずっと不安だった。

ちなみに電解コンデンサには極性があり、このマザーボードの場合は基板上で白く塗りつぶされている方が+極である。

新たなコンデンサを取り付けたところ。ニチコン製のHMシリーズ 6.3v 3300μF というタイプ。もちろんマザーボード用途なので低ESR品だ。別に拘って選んだわけではなく、共立エレショップという電子部品を1個からバラ売りしているネット通販で、該当するコンデンサがこれしかなかっただけだ。値段は送料別(定形外郵便120円)で、1個94円だった。失敗してもいいように3個注文したのだが、1個目でなんとか上手くいったので2個は予備として保存しておく。

とりあえずコンデンサの取り付けは終了したが、我ながら半田づけが非常に下手くそで見た目も汚い。また半田ごてを基盤にあてている時間が長かったので他の部品を駄目にしてしまっていないか非常に不安だった。とりあえずマザーボードから外した各種配線を事前に撮影しておいたデジカメの画像を見ながら元に戻して、電源を入れてみると意外にもちゃんと動いた。

どうやら作業はうまくいったようである。正直今回の作業でマザーボードの寿命が延びたのか、逆に縮まったのかいまいち確信がもてないが、PCの買い替えとはまた違った形での自作の楽しみ方が増えたのは間違いない。またPCを長持ちさせるのは内部温度を上昇させない事だろうと今更のように再確認し、PC内部のエアフローを少し改善しておくことにした。今年の夏はエアコンも使えないだろうから、かなりPCには負担がかかるだろう。その夏を乗り切ることができたなら電解コンデンサの交換作業は成功だと確信しても良いだろう。

LED液晶モニタ E2441V-BNを買った

省電力が声高に叫ばれる昨今、いまだにCRTディスプレイを使用していた私もようやく液晶ディスプレイに買い換えた。

これまで使用していたのは三菱のRDF173Hで、17インチスクエアの平面ブラウン管、消費電力は約73Wだった。かなり古いがブラウン管ならではの画像の綺麗さがあったのでこれまで使用していたのだ。

新たに購入したのが、LGのE2441V-BNで、24インチワイドのLED液晶モニタ、消費電力は通常使用時で約25Wだが SUPER Energy Saving 機能とやらを使えばさらに5W程度節約できる。

今回はアマゾンの方が安かったけどポイントセールなども含めると楽天の方が安い事もある。
LED液晶モニタ @ 楽天市場

これら二つの消費電力の差は約50W、白熱電球1個分程度だが日中を通してPCを使用している私の場合、多少は省電力と電気代の節約に貢献できるだろう。

購入したのは某通販で送料込み約17000円、安いながらもLEDバックライトなので画質はなかなか良い。視野角が狭いのが難点だが、画面自体は大きくなったので、日常の作業がとてもやりやすくなった。この記事を書いている今も編集画面が横に伸びたおかげで、編集画面上の改行が少なくなって実に編集しやすい。ちょっと横に長すぎるかなとも思うが、後で微調整をすれば問題ないだろう。

入力端子はD-sub・DVI・HDMIの三つを搭載していて汎用性も高い。スピーカーは内臓していないので、ゲームをやったりDVDを見たりとエンターテイメントを重視する人には向かないかも知れない。もう一度言うがLEDバックライトなので画質はエンターテイメント用途でも必要十分だと思う。

利用したネット通販も即日発送・翌日到着だったし、液晶モニタでは避けられない問題の一つであるドット抜けも無く、今回は非常に良い買い物をしたと思っている。ちなみに長年愛用してきた三菱のRDF173Hは取って置いても場所をとるので、近所のPCデポに持ち込んで100円で引き取ってもらった。

女子モテな妹と受難な俺 第1巻を読んだ

私はラノベをあまり読まないのだが、女子モテな妹と受難な俺 という作品を読んだ。

なんで読んだのかと言えば、適当にブラウジングしていてたまたまこの本のレビューを見かけて、甘えん坊の妹とキャッキャウフフなどと書いてあったの見て、最近甘えん坊の妹分が足りてない自分はろくに確認もせずに思わずポチってしまったという訳だ。

感想はと言うと、やはり読み慣れないラノベならでは?の文体や文章表現がちょっと読みづらいというか気恥ずかしい印象を受けたが、目的であった妹の甘えん坊っぷりがちゃんと味わえたので満足。自分としてはぶっちゃけ他の女子は居なくてもいいのだが、仏像好きな兄+兄好きの妹+妹好きの百合集団というのがこの作品のキモらしい。というかそれを抜かせばありがちなハーレム作品なのだが、この辺はアイデア勝負というか設定ありきな単発作品っぽい匂いがしないでもない。ただ第1巻を読んだ限りではうまく設定を使って話をまとめていると思う。第2巻を読みたいかと言われれば微妙だが、そんな長編にならずに終わったらそのうちまとめて読むのもいいかも知れない。

キャストアウェイを見た

前回東京島を見たの引き続き、ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演の映画、キャストアウェイを見た。

この映画は公開当時映画館で見た事があるのだが、ひさびさに見て期待したほどは面白くなかった。やはり東京島に比べて漂流者が一人という事でストーリーに山場という山場が無い感じが退屈に思えたのだと思う、という事で特に映画に対する感想は無い。

しかし無人島というと最初に思いつくのが植田まさしの漫画という人は結構いるのでは無いかと思うが、なんだか久々に植田まさしの漫画が読みたくなってしまった。

これはゾンビですか?を見た

これはゾンビですか? のアニメを見た。

これは良いラノベ原作アニメだと思う。下手に小難しい設定をいれずに、既存の作品の良いとこどりで気楽に見れる。主人公がゾンビで魔装少女っていう設定がかなり斜め上を言ってるが、基本的にはファンタジーをベースにしたありがちなギャグ作品だという印象を受けた。

途中余計なシリアス展開もあったが最低限の話数で済ませて最終話をまたギャグで締めるなど、心憎い話数配分も好印象。1クールのアニメによくあるように、後半ずっとシリアス展開でOVAで遣り残したギャグをやるようなだと最低だ。

この手の作品のお約束に従ってヒロインキャラは多い。数打ちゃあたる方式で、私は見事にハルナにはまった。一応設定ではツンデレという事になっているらしいが、どちらかというと素直になれない精神的な幼さと天然なおバカ設定が好印象。魔装少女なんて設定はどうでもいいから、こういう性格のロリキャラがもっと増えればいいのに。

結論としては何度も見たくなる程の名作だと思わないが、力抜いて見るにはまずまずの作品だろう、というか色々と中二病すぎて真剣に見たら負けだと思う。

まかないこむすめを読んだ

小谷あたるの漫画、まかないこむすめを読んだ。

一言でいえばハートウォーミングストーリー。何故か犬の耳のようなものが生えている小柄の少女が、これまた何故か人間の姿をした黒猫と暮らしている女流作家の家で住み込みの家政婦をするというお話。

どうして犬の耳が生えているのか、またどうして黒猫が人間の姿をしているのか特に説明はされない、「そういう世界の話」と割り切って見る事が重要だ。基本的には見た目は小学生くらいにしか見えない主人公の千恵子が一生懸命お仕事したり、千恵子の周りのやさしい人間たちとの関係を見て癒される感じ。物語に特に事件とか盛り上がりとかも無いので気楽に読めるだろう。系統としては「びんちょうタン」みたいな感じだけど、どちらかというと女性向けのような雰囲気がある。

はじめの一歩 95巻を読んだ

はじめの一歩の95を読んだ。

激戦が終わって戦士達の休息という感じの1冊。だが中盤あたりから新たな挑戦者である小島寿人との試合へむけて物語が盛り上がっていってる。2階級上のライト級の日本ランカーだったが、一歩とのタイトルマッチを望んで階級を落として戦う。一歩と同じハードパンチャーで、一歩とのガチンコの殴り合いを望んで挑戦してきたという訳だ。

宮田とかの主要なライバルボクサーと比べてかませ犬の匂いがしない訳ではないが、上手くお互いの対立を煽って描かれているので、どうせ一歩を勝つと解ってはいても試合がどう展開するのがとても楽しだ。この辺の演出はうまいなあといつも思う。96巻の発売がいまからとても待ち遠しい。