アニメ・漫画」カテゴリーアーカイブ

帰宅部活動記録を見た感想 何もかもが三流、だがそんなに悪くはない

TVアニメ「帰宅部活動記録」を見た。

このアニメ、はっきり言って褒めるところが無い。まず一番気になるのは主要キャラをはじめとした全キャラの声優の演技が下手な所だが、それ以外にも色々と酷い部分がたくさんある。作画は手抜き、キャラと設定はありがち、ギャグはどこかで見たネタの二番煎じ、いくら低予算アニメだからと言ってよくこの企画にGoサインがでたものだと感心させられる。

こういう手抜きが日常系ならではの「ゆるさ」と言って許されてしまう風潮は正直どうかと思うが、これでもそれなりに見れてしまうから不思議である。おそらく声優の演技で相当に敷居が下がってしまうせいかも知れないが、つまらない作品ではない。決して他人に勧めたくなるような作品ではないが。

とにかく何もかもが微妙すぎる。それほど悪い作品ではないのに、素直な気持ちで良いとは言えないこの微妙さ。おそらく二度と見ないと思うので、この感想を書いた後はすっかり忘れ去ってしまいたい。

ハイスコアガール 1~4巻を読んだ感想 微妙に懐かしく、そして微妙に懐かしくない漫画だ

以前からネット上で時々良い評判を目にしていた、押切蓮介による「ハイスコアガール」を1巻から4巻まで読んでみた。

舞台は湾岸戦争が勃発した1991年から始まる。しかし物語はそんな世界情勢とは関係なく、格闘ゲームを中心としたアーケードゲームが上手い事がアンデンティティの小学生の男子と、やはりゲームが大好きだがどこか謎めいた雰囲気を持つ少女を中心に進んでいく。

今の子供は知らないが、昔は小学生時代の自由時間をゲームをやって過ごした人は多いと思う。この漫画はそういう人間のノスタルジーを痛烈に刺激してくれる。私自身は格闘ゲームはあまり好きでなかったので、肝心のゲームの内容についてはあまり懐かしさを感じなかったものの、「ゲームを一緒にプレイして遊んでいた仲の良い女子が転校してしまう」という第1巻の最後の流れで、古い記憶の中に閉じ込めておいた小学生時代の淡い思い出を呼び起こされて思わず泣きそうになってしまった。

ただし私の思い出のゲームはRPGのドラゴンクエストで、相手の少女も金持ちのお嬢様ではなく、どちらかというとあまり裕福でなかったが故に家庭の事情で転校してしまったのだが。性格も行動的で明るく、この漫画の少女とは似ても似つかないのだが、転校当日のお別れのプレゼントとか、空気を読めない先生の行動とか、自分の思い出とかぶるエピソードが何個かあったためにかなり強烈なノスタルジーを味あわされてしまった。

第2巻からは主人公が中学校・高校と進学するのだが、私自身すでに中学校からゲームをあまりやらなくなったという事もあって、ノスタルジーを感じるというより色々なゲームうんちくを知って感心するという感じになってしまったが、第1巻の段階ですでに主人公に対する感情移入が出来上がってしまっているので、実際の自分とは違う人生を追体験するような感じで楽しめた。

という事で、どこか懐かしく、そしてそれほど懐かしくもない漫画だが、ぜひ5巻以降も読みたいと思う。

進撃の巨人を見た感想 原作付アニメでは久々の名作だ

テレビアニメ「進撃の巨人」を見た。

私は前もってこの作品の原作を読んでいたので、TV放送がすべて終わってから一気に視聴する事にした。原作を読んでいるからには作品の設定やストーリー展開はすべて頭に入っている。そういう先の展開が読める作品を一話づつ見るのは結構つらい。そういう感じであまり期待せずに見たのだが、実際には世間の評判通り、原作をすでに読んでいたのにも関わらずかなり楽しめる名作だった。

何よりキャラクターの動きが素晴らしい。巨人の迫力ある動きもさる事ながら、立体軌道装置でのスピード感あふれる三次元的動作の演出が実に素晴らしい。ここしばらく日常系アニメばかり見ていた事もあって、久々に目の覚めるような思いがした。

普段はこの手の原作付アニメにはあまり期待をしないのだが、原作を忠実に再現したうえでアニメならではの表現をここまで追求した作品も珍しい。おそらくは製作コストもずいぶんと掛かっているのだろうが、大ヒットという結果を残せているのがさらに素晴らしい。第二期があったらぜひまた見たい。

ロウきゅーぶ!SS を見た感想 開き直ったロリアニメはまだか

テレビアニメ「ロウきゅーぶ!SS」を見た。

わざわざ説明する必要もないほどのロリアニメ。女子小学生のバスケットチームを男子高校生の主人公がコーチするのだが、なぜだか妙にお風呂のシーンと湯気分が多い。

まあ別にそれはそれでいいのだが、どうせならもうちょっと開き直ってロリ萌え作品としても徹底しても良かったんじゃないかと思う。正直に行ってしまうとバスケットやる必要がないような気がする。百歩譲ってバスケの練習はしてもいいけど、ライバルが出現したり試合をしたりという展開は、ロリと言えども少々暑苦しい。気軽に萌え分を補給したいのにあんまり真面目なストーリーを見させられても疲れるだけだ。

その点、苺ましまろは良かった。まあロリばかりでてくるアニメ自体少ないからあまり我がままも言えないのだが…

とある科学の超電磁砲S を見た感想 萌え系のアニメの二期って大抵あまり面白くない

テレビアニメ「とある科学の超電磁砲S」を見た。

特にこのシリーズが好きだという訳でもないが、前作がそこそこヒットしたシリーズものの第二期というのはついつい観てしまう。そんな感じで観たせいか、特につまらなかったという訳でもないが、特筆して面白いという訳でもない微妙な印象を受けた。

まず登場キャラクターが多すぎる。萌えキャラをたくさん出すのはこの手の作品では当たり前の事だが、それにしても多すぎる。結果として個々のキャラクターの印象は見た目と話し方くらいしか印象に残らずこれで萌えろと言われても困る。それでいながらストーリーは既存のキャラのイメージを壊さない様に進行させなきゃいけないので目新しさがない。

という事で前作の熱烈なファン以外あまり楽しめない作品なのではないかと思う。全24話じゃなく12話くらいにまとめてくれたならさらっと流してみるにはちょうど良い作品になったかも知れない。というか完全に萌え作品と割り切って既存キャラの日常パートだけを12話分やればよかったのに。

ダンガンロンパ The Animation を見た感想 大山のぶ代さん何してんすかw

テレビアニメ「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation」を見た。

ゲーム原作のアニメという事以外になんの前情報も入れずに特に期待をせずに見たのだが、冒頭で主人公である苗木誠の声を演じているのがエヴァのシンジと同じ声優さんだと気付いて少しびっくりする。そして他の登場人物たちもなんとなくどこかで聞いた事のある様な声ばかりで、これが嘘偽りのない本当の意味での「声優が豪華」ってやつだな、なんて思いながら見ていたら

モノクマという敵役でなんとドラえもんの声が! 大山のぶ代かよ!!!

思わず一回画面を止めて Wikipedia で事実を確認してしまった、というかまだ現役だったんだ。もうこれだけで当分忘れる事ができない作品となる事が確定したようなもんだろう。

声優だけでなく作品の設定もなかなか良い。原作が推理ゲームということで、御神楽少女探偵団を彷彿とさせる学級裁判のシーンの演出もなかなか面白く、上手にアニメ化していると思った。ただし推理の内容自体はどこかで見たような感じなのでその辺を期待するとがっかりするかも知れない。終盤はちょっと物語が雑というか、いきなりデストピアな展開になってちょっと話を大きくしすぎた印象が否めないが、そんな中にも大山のぶ代演じるモノクマの「ザナドゥ、ファザナドゥ」のセリフで思わず爆笑。

こんな感じで、もう一度観たいかと聞かれれば微妙なのだが、観てない人にはぜひ一度観てもらいたいと思わせる面白い作品だと思った。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。を見た感想 残念系とやらのシリアスは中学生日記?

テレビアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」を見た。

「僕は友達が少ない」などの残念系と呼ばれるジャンルの作品という事で興味があって観てみたのだけど、これがなかなか面白かった。まず主人公の性格がほどよくねじ曲がっている。悪人というほどではないがいちいち持って回った考え方をしており、これがアニメでのモノローグとなると面白い。ヒロインキャラはちょっとありきたりな感じで少々魅力にかけるが、それを補うサブキャラが個性的でコメディ作品としては良作と言っても良いと思う。

難点があるとすれば、彼らの中で問題が起きて少々シリアスな話の展開に入った途端、ただでさえ性格の少しひねくれた主人公の印象を相対的に良くするために、周囲の人間が解りやすすぎる程に単純な思考で描かれる点だ。別の言い方をすればNHKの「中学生日記」かよとツッコミたくなるような人間ドラマが展開されるのが見ていて痛々しかった。まあリア充の視点では考えもつかないような発想でぼっちの主人公が問題を解決する、という流れを描きたかったのだろうが、周囲のキャラクターにリアリティがなさすぎて逆に主人公が女々しく見えてしまったのが残念だ。

逆に好印象だったのがサブキャラのデブのオタク。バカがバカに徹してむしろ誇らしげ、というのは女々しい主人公との対比で男らしくさえ見えた。

そらのおとしものを見た、古典的な萌えアニメだ

テレビアニメ、そらのおとしものを観た。

スケベだけど根は優しい主人公の少年の家にある日、空から美少女が降ってきて居座りドタバタなコメディを繰り広げる、いわば「うる星やつら」以来の萌えアニメの定番を踏襲した、今では王道というには少し珍しい部類になりつつある古典的な萌えアニメだった。それだけにこういうのが好きな私としては安心してみることができた。

終盤に少しシリアスな展開はするものの基本はずっとギャグパートが繰り広げられる。メインヒロインのイカロスをはじめ他のヒロイン達もあざといほどに定番キャラの設定だがそれぞれ魅力的で脇を固める生徒会長や部長も良い味を出している。要するになんも考えずに娯楽として楽しめる良作だという事だ。むしろなんで最近はやたらと小難しい設定を付け足したアニメが多いのかと疑問に思うほどだ。

ちなみにこの作品は北米版のブルーレイをかなり安い値段で買う事ができる点もおすすめだ。第1期のTV放映分とOVAの全14話が全部入って約3500円という値段は、これがもし国内版だったら1巻分にもならないだろう。ちなみに第2期のそらのおとしものfの北米版ブルーレイは2013年6月25日の発売予定となっているので、今から予約しておくとよいだろう。

ヴィンランド・サガを読んだ、ヴァイキングかっこよすぎ

幸村誠による漫画、ヴィンランド・サガを読んだ。

プラネテスの作者の最新作という事だが、舞台は一転して11世紀の北部ヨーロッパ。スカンジナビア半島やブリテン島を中心にヴァイキングの活躍を描く歴史物語。歴史もの漫画といえば日本や中国を舞台にした作品がほとんどで、ヨーロッパを舞台にした作品だと古代や近代がちらほらあるだけだったが、中世のしかも初頭というのは実に珍しいと思う。

ただ作品全体を覆う雰囲気としては秦帝国の建設を描いたキングダムとちょっと似ているところがある。まだ文化や統治が未発達で戦闘も個々人の武勇や兵士たちの士気がほとんどを占めている時代で、王よりもその配下の一将兵にスポットライトが当たっている点などだ。またキリスト教がヨーロッパ北部に普及する以前の話なので、近代では主に奪う側となるキリスト教徒が、この作品ではヴァイキング達に奪われる側で描かれているのも面白い。キリスト教が奪う側に回るのはヴァインキングがそれぞれの地域で同化して帰依して以降の話である。

歴史物語という事なので史実をたどれば今後の話の展開の大筋を知る事はできる。しかしその時代の息吹というか雰囲気を物語という形で見事に描きだしているので今後の連載も実に楽しみだ。アニメ化されたら海外ですごく人気がでそうだなと思う。

刀語を見た、時代劇だと思ったら会話劇だった

テレビアニメ、刀語を観た。

化物語の西尾維新の原作ということで見てみたが、やっぱりというかそのテイストがふんだんに含まれた作品だった。簡単にいえば物語の進行よりも登場人物同士の会話にさかれる時間が多い。これが化物語だと主役の阿良々木暦のおちゃらけた性格もあって面白かったのだが、今作の主人公は純朴な青年という事でどうしてもコミカルな方向へとは転がりずらい。敵役も一応剣士とか忍者という設定なので真面目な性格の人間が多い上によくしゃべるので、とにかく屁理屈をこねくりまわしている悪印象しか得られなかった。「剣士ならば言葉で語る必要はない」とか言っていながらその後もとにかくベラベラしゃべる。そういう所がこれまでの時代劇作品と一線を画すというか、これを面白いとみるかつまらないとみるかによって評価が分かれるところだろう。

私としてはまあつまらないというほどでもなく、序盤は結構楽しめたと思う。しかし全12話という構成の後半はもうマンネリ化が進んでしまって、あとはアニメにはありがちな展開を時代劇に持ち込むという奇をてらった割りに別に新しくもない終盤がまっていた。昔の少年ジャンプかよ。

原作ファンにとっては原作どおりで満足なんだろうけど、1時間アニメ全12話の半分程度に短くまとめてくれた方が爽快感と共に見れたと思うだけにちょっと残念な気がする。