BLOOD ALONE 7巻を読んだ

6巻が発売されてから長期休載をしたり掲載誌がイブニングに移ったりと色々とゴタゴタしていたが、ようやく発売されたBLOOD ALONEの7巻を読んだ。

相変わらずクロエとミサキの非日常的な日常を淡々と描いている。数々の事件はおきるが他の少年漫画のようにバトルが盛り上がるような事はなく、クロエの圧倒的な能力で淡々の解決されてしまう。この作品はそこが良いところだと思うのだが、昔よくあったハードボイルド作品の亜種みたいなものなのだろうか。

ハードボイルドが男の理想の世界を描いたものならこの作品は少々年くったオタクの理想を描いたものだと思う。主人公は小説家や探偵をやっていて会社に縛られる事もない。血縁の家族はおらず主人公が守ってやらねば生きていけない美少女と暮らしている。ミサキ以外の人間とあまり深く関わろうとはしないが、見た目や性格や能力で出会う人ほとんどに好意を持たれる。それほどお金を稼いでいるようにも見えないが家や家具を見る限り平均以上には裕福な暮らしをしている。普段はかわいい美少女のミサキと二人でまったりとした暮らしを満喫しているが、ときどきちょっと緊張する程度の事件に巻き込まれてこれまた自分が見事に解決する。

冷静に考えると甘ったるい少女漫画以上に砂糖漬けのような世界観である。ただそれだけに自分のようなおっさんのオタクにはものすごく理想的な世界に見えるのだ。今ならハーレクインロマンスにはまる中年女性の気持ちが解るかもしれない。