人類は衰退しました を観た感想

テレビアニメ、「人類は衰退しました」を観た。

まずなかなか興味を誘うタイトルなので、そこから想像するによくある人類が滅亡しかけている未来の世界を描くSF作品なんだと思っていたら、SFの皮をかぶったファンタジー作品だった。いや人類が滅亡しかかっている未来という設定には違いないのだが、その人類の代わりに繁栄している新人類が「妖精さん」と呼ばれる謎の生物だからだ。なので純然たるファンタジーとも言えないのだが、舞台背景の設定はともかく作品全体をつつむテイストとしてはSFというよりはファンタジーの方が近いと思われる。

そんなちょっと変わった舞台の設定に興味を惹かれてしまったら、次はその「妖精さん」達のかわいらしさにやられる事になる。妖精さん達のかわいらしさとは、まず「おバカ」である。楽しい事と甘いお菓子が大好きで、それだけで幸せなのである。次に「たくさん」である。楽しい事さえあればどんどん増える。最後に「災害」である。大勢に増えた妖精さん達はその高度な技術力でトラブルを起こす。しかしその災害は深刻な被害をもたらすという訳ではなく、主人公の「わたし」やその周囲の人間を多少翻弄する程度ですむ。

まあそんな、下手をすれば日曜の朝に放送しているような子供向けのファンタジー作品のようでありながら、軽く風刺の聞いた毒舌的なセリフなどによって、大人でも楽しめる作品に上手くしあがっている。

お決まりのパターンがすでに形成されて久しいライトノベル原作のアニメ作品の中で、なかなかに異彩を放つ実に面白い作品だったと思う。特に重要なストーリも無いので気楽に観れるという所も良く、第2期があればぜひまた観たいと思わせる良作だった。