フランケン・ふらんを読んだ感想

木々津克久による漫画作品、フランケン・ふらんを読んだ

タイトルや絵柄から想像がつくと思うが、フランケンシュタインの怪物をモチーフに猟奇やグロを中心としたブラックなショートストーリーに、若干の萌えやオタク要素を盛り込んだような感じの作品である。

この手の作品にはありがちなのだが、基本的には絵的に血なまぐさい描写と同時に、人間の持つ欲望など精神的な醜さも描写して、最終的には登場人物のほとんどが不幸になるという、因果応報モノとしての定形に沿っている。しかしそういう「お決まり」のパターンの他に、たまにこの手の作品の世界観の持ち味を良い方向にいかしたエピソードがたまにあって、これがなかなか秀逸な感じに仕上がっている。

中には仮面ライダーなどの特撮ヒーローのオマージュと思えるエピソードなどがあって、正統派のブラックコメディから見れば異端とも言えるこの手の話が実に面白い。逆に言えばきちんとしたブラックストーリーを求める人はあまり期待して読むべきではないだろう。かと言って萌え作品として読むにはグロすぎるので、読む人は選ぶだろうなという感じの作品である。

色々な意味でオススメはしにくいが、それでも興味のある人には読んでもらいたくなるような秀作だった。