さよなら絶望先生を観た感想

以前から まりあ†ほりっく荒川アンダーザブリッジ化物語 などなど、新房昭之監督の作品がお気に入りの私だが、以前からずっと観たいと思っていた「さよなら絶望先生、俗・さよなら絶望先生、懺・さよなら絶望先生」をようやく観れた。

作品内容の説明はいまさら必要ないかも知れないが、物事を何でもネガティブに捉える絶望先生こと・糸色望(いとしきのぞむ)が中心となって、個性的な女子生徒たちと織りなす会話劇である。会話内容としては時事ネタや社会風刺などをシニカルに捉えつつギャグとして描いている感じで、別の言い方をすれば「誰しもが一度は考えるけど、それを人前で言うのはちょっと大人気ないと思われがちな事」が多い。

なので第1期は各キャラクターの性格が把握できてくると中々面白く観れるが、第2期・第3期ともなるとさすがに食傷気味に思えてくる。扱うネタも尽きてくるのか、最終的にほとんどこじつけやいいがかり的なネタが占めるようになってくるともうお腹いっぱいとなる。日本的なパロディや風刺の限界というか、どうせやるならとことんやってしまった方が面白いはずなのだが、どうしても中途半端な描き方になっているのがせっかくのネタをつまらなくしていて残念だった。

深夜アニメも所詮はマスメディアの一部だし、なにより商売なのだがら余計なトラブルは避けたいというのがごく普通の考えなのだろう。欧米の風刺映画ほどやれとは言わないが、訴訟リスクとそれによる宣伝効果なんかも計算に入れた上で風刺ネタを扱った方がきっと面白い作品ができると思うのだけど、結局のところ日本の漫画やアニメを作っている人たちって「いい人」が多いのだと思う。いい人は商売が下手だし、いい人がアクの強い作品を作る事は難しい。