おいしい非常食 ~ もしもの時のために

東日本大震災から約1年と半年が過ぎた。被災地でいまだに苦労をされている方々はともかく、日本人の大半はまず平穏な毎日を送っていると言ってもいいだろう。しかし平穏な日々にこそ万が一の時の備えを怠ってはならないと思う。そんな重要な備えの中のひとつ、非常食が近頃バリエーションも増えて、それどころか食品としても十分に美味しい商品もたくさん発売されているという。

ここで「非常食なんだから栄養が摂れればそれで十分だろう」、と思う人はちょっと待って欲しい。

非常時だからこそ、いつもと変わらないおいしい食事を取る事によって気分を落ち着かせる事が必要なのだ。

例えば災害などとは違うが、戦場で兵士達が食べる戦闘糧食 (レーション)なんかはバリーエションが豊富で色々と工夫されているし、戦闘地域以外に駐屯する部隊の食事は料理専門の隊員が腕によりをかけて作るのでとても美味しいという。命の危険と隣合わせという状況が生み出す緊張感を和らげ、冷静な判断に必要な精神状態を保つためにも、日常生活と変わらない食事を取る事が重要なのである。要するに食事というのは栄養が摂れればそれで良いというものではないのだ。疑う人は試しに栄養食品だけで数日過ごして見ると良い。

それでは私が見つけたおいしい非常食を以下に紹介していこう。

まず最初に紹介するのは、自衛隊も採用している糧食のセットだ。内容はおかずとして「ウインナーカレー、すき焼きハンバーグ、中華風カルビ」が各1食づつと、ご飯が3食分、それらを温めるための加熱剤と袋に、お皿とフォークスプーンが入っている。消費期限は製造から3年間。値段は少々お高いが、これを家族の人数分用意しておけば非常時の緊張感をかなり和らげることができるだろう。ただ好きな人は好きなのだろうけど、外装のデザインはこんないかにも戦闘糧食といったものでは無いものにして欲しかった。

こちらはアツアツのカレーが食べられるセット。内容は、「ビーフカレー、ご飯」と発熱剤、レンゲ、紙ナプキンがついてくる。消費期限は製造から3年間。1食の値段はとても高いが、温かいカレーは小さなお子さんがいる場合は非常にありがたいことだろう。特にお子さんは災害後のPTSD (心的外傷後ストレス障害) も心配なので、気分を落ち着けるためにもこういう食事を用意しておいた方が良いと思う。

こちらはアツアツの牛丼が食べられるセット。内容は、「牛丼の素、ご飯」と発熱剤、レンゲ、紙ナプキンがついてくる。消費期限は製造から3年間。牛丼はカレーほどにはお子さんは喜ばないかも知れないが、いくらカレーが好きでも何日も続けてカレーという訳にもいくまい。必須とまではいかなくとも、カレーと一緒に買っておくと良いだろう。まさか牛丼が非常食になるとは私もおどろきだが、それだけに普通の食事をしているという気分を十分に味わう事ができるだろう。

次に紹介するのはその名も「美味しい防災食セット」。内容は「ハンバーグ煮込み、サバの味噌煮、肉じゃが、豚汁、おかゆ」が各3食づつ。ご飯はついていないのでお粥以外は別にご飯を用意しなければならない。温めるには湯煎が必要で、消費期限は製造から5年間。3人家族が備蓄するにはちょうど良いかも知れないが、それ以外の人数だとちょっと微妙。むしろ家庭ではなく施設などが大量に備蓄するのにむいているのかも知れない。

こちらは1セット40食分の非常食セット。内容は「パン 10個、梅粥 10個、白粥 10個、おでん 5個、ぜんざい 5個」。消費期限は製造から5年間。おかずがないのが難点だが、値段の割にボリュームがあるので、1セット購入しておけば重宝するだろう。朝ごはんや昼食にこちらを食べて、夜はおかず付きの食事を取るという組み合わせにちょうど良いかもしれない。

最後に紹介するのは備蓄用の白飯セットである。これまでずっと「おいしい非常食」を紹介してはきたが、家庭の場合、日頃からレトルト食品や缶詰を多めに買って貯蔵するように心がければ、おかずについては心配いらなくなる。消費期限も古いものから順に食べて、それに併せて新しい食品を買い足すようにすれば良いのだ。まあ、それを実行するのが実は難しいのだが、その場合問題となるのはご飯だ。

お米をたくさん買っておいても電気やガスがなければご飯を炊く事はできない。そしてご飯さえあれば日本人はおかずはあまり気にならないものだ。だから最低限必要な備蓄はご飯、そして水という事になる。それに加えて小さなお子さんがいる場合は、本人が好きなレトルト食品やお菓子を日頃から多めに買っておくようにすれば良いだろう。

東日本大震災では食料や水などの援助物資が届くまで数日を要した。もしこれが関東や近畿といった人口密集地であったなら、援助が行き渡るにはさらに時間を要するかも知れない。水や非常食の備蓄は最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄が望ましいと言われる。自分や家族を守るのはまず日頃の備えなのだと再確認して、準備を怠らないようにしたい。

上で挙げたのはほんの一部なので以下のリンクからご自分の目的にあった非常食を見つけていただきたい。
非常食 @ Amazon

今回はアマゾンの方が安かったけどポイントセールなども含めると楽天の方が安い事もある。
非常食 @ 楽天市場